毎週養蜂の情報が届く!メールマガジン登録

季節に応じた飼育情報をお届けします。これから始める人のチャレンジもサポート!

6,000人以上が登録している大人気のメルマガです。登録は無料です。いつでも配信停止できます。

12月10日に京都市で開催された、第5回ニホンミツバチ養蜂研究会で、当会が発表させていただきました。

この時のスライドを補足のコメントと共にご紹介します。

アカリンダニ、サックブルードなどのニホンミツバチの病害虫対策では、前田先生や坂本先生などの研究者の方々、家畜保健衛生所の方々に大変お世話になっています。
今回の発表では、愛好家同士が力を合わせることで、病害虫対策を有効に行っていこうというお話をさせていただきます。

左側の養蜂、右側のパソコンは、全く縁がないように思われますが、今日はこの2つがどう結びつくかを紹介します。

まず、私はウェブサイトを2つ運営しています。左がミツバチQ&A、右が分蜂マップです。この2つは多くの方に使っていただいていますので、今日来られた方の中にも、使っていただいている方がおられると思います。

ミツバチQ&Aは、ミツバチの愛好家の方が、困ったこと、分からないことを質問できるウェブサイトです。

質問は無料で行えます。例えば、この方のように、杉の丸太が手に入ったので、それをくり抜いて丸洞式巣箱を作りたいという場合に、どのように行えば良いかを質問することができます。

回答も自由に行えます。ボランティアで自分が知っている内容を回答します。

ミツバチQ&Aはたくさんの方に投稿していただいており、特徴として、良質な回答が速く、たくさん投稿されることがあります。1つ質問すると平均で3つの回答が投稿されます。もちろん、3つの中には違う意見のものもありますが、様々な角度からの意見を参考にすることができます。回答の質も大変高いです。

ミツバチQ&Aには、これまで通算で3500件の質問、8000件の回答が投稿されています。1日2000人が訪問しており、過去の質問も頻繁に読まれています。

ミツバチQ&Aは、インターネット上での養蜂家同士の助け合いです。この助け合いで、多くの疑問が解決できています。

次に分蜂マップです。ニホンミツバチの捕獲を行うには、分蜂時期を知ることが重要です。ただ、時期が年によってずれることもありますし、なかなか正確な時期がわかりません。

そこで開発したのが分蜂マップです。分蜂マップをみると、その年の分蜂の時期が簡単にわかります。

仕組みは簡単です。分蜂を目撃した愛好家が、分蜂を報告します。報告は、日時、場所(市町村)、あとは捕獲の様子を入力します。だいたい3分もあれば投稿ができると思います。この報告だけ見ても、それほど特別なことはありません。

しかし、これが1000件集まると、日本中の分蜂の時期がおおよそ分かります。

今年、2017年の分蜂を見てみると、3月15日の段階では種子島や宮崎県の南部で分蜂が報告されています。ここから10日おきに見ていきます。

3月25日には、福岡や長崎などの九州の西側でも分蜂が始まりました。

4月5日には、関東より西側の広い範囲で分蜂が始まりました。関東から中国にかけての平野部では、気候が近いため、同じタイミングで分蜂します。

4月15日になると、より分蜂の報告が増えていますが、また寒い地域の北陸、長野県、東北では分蜂が報告されていません。

4月25日には、北陸や、東北や北信越でも分蜂が始まっています。

5月5日には、一気に岩手や山形でも分蜂が起こり、青森県以外は分蜂が報告されています。

5月15日には青森でも分蜂が報告されています。

このように、日本の愛好家の方が投稿することで、分蜂の時期がわかるようになりました。1件1件の報告は、とてもシンプルなもので、報告にはほとんど時間がかかりませんしかし、その小さな貢献がたくさん集まった結果、分蜂時期が分かりました。

もしこれを1人で、インターネットを使わずに行うとどうなるでしょうか?まず捕獲の報告を集めるのが大変です。電話や手紙などを使ったり全国を行脚して集めると時間もお金もたくさんかかります。そして、例え集まったとしても、それを日本中の方に即座に伝えるのも難しいです。

ミツバチQ&Aも、分蜂マップの、1人1人の愛好家の小さな貢献がたくさん集まることで、大変役立つものになっています。

これはミツバチと同じです。1匹1匹では本当に小さな力しかありませんが、それが集まることで、群れが維持されています。ミツバチのように、小さな力を合わせて、大きな力を生み出すことができます。この力を、病害虫対策に活用していきましょう。

ここで、病気、ダニ、農薬などの被害の対策方法の話に戻ります。病害虫対策では、まず被害が発生していることを知り、その症状を知って自分で見分けられるようになる、最後に正しい対策を行えるようになることが重要です。

私は病気やダニの専門家ではありませんが、どんな異常に対しても、これが基本になると思います。

1つずつ説明すると、まず1の被害が発生していることを知るというのは、アカリンダニの例でいえば、日本のどこかでアカリンダニというダニがニホンミツバチに深刻な被害をもたらしていることを知る必要があります。これは基本中の基本で、第一歩と言えます。あくまでアカリンダニを例として題しているだけで、アカリンダニに限ったことではありません。サックブルード病でいえば、まずサックブルード病についても知ることが重要です。

次に症状を知り、自分の群れがもしアカリンダニに感染している場合、それを知る必要があります。もし症状を知らず、何かよく分からないけどニホンミツバチの調子が悪いとなった場合、対策は取らないでしょう。重箱式巣箱のような巣箱では、それほど頻繁に内見する必要もありませんし、内見でみれる部分にも限界があります。ニホンミツバチの飼育では、原因は何かはっきりしないけど、気づいたスムシが発生して群れが消滅していたということは珍しくはありません。もしアカリンダニが原因ということに気づけなければ、対策すら取らず、その間に被害が拡大してしまいます。

最後に、対策方法を知っておくことが大切です。感染してから対策方法を探し求めたり、試行錯誤していると、その間に被害が広がってしまいます。理想は自分の地域で発生する前に対策方法を知っておくことです。

残念ながら、アカリンダニではこの3つを実践できなかった事例が多かったように感じています。何を隠そう、私たちが飼育している京都府内でもアカリンダニが早い時期から発生していたと考えられますが、よく分からない異変としてしばらく扱っており、その間に深刻な被害が出ました。

インターネットを使われない方は特に情報の入手が難しいようで、先日実施したアカリンダニの被害についてのアンケート調査では、自分の周りの飼育者はアカリンダニ自体をまだ知らない人も多いという声がありました。

しかし、皆さんご存知のように、正しい情報は存在しています。普段から大変お世話になっている、前田先生や坂本先生などの研究者の方々、家畜保健衛生所の方々はもちろん、被害が早い時期に発生した地域の飼育者、特にある程度群れを飼育していて、対策も実施してその結果も出ているような方です。まさに今回サックブルードについて発表された、田中進さんのような方です。もうすでに発生していて対策に取り組んでいる地域がある一方、まだほとんど被害が出ていない地域もあるようで、飼育者間での情報格差も大きい状態と言えます。このように、情報はどこかにありますが、ニホンミツバチは全国的な組織がなく、趣味で飼育している人がほとんどなので、どうしても情報の伝達に課題があります。

こうした情報共有の課題を解決するために、インターネットで情報を交換しましょう。ミツバチQ&Aに限らず、Facebookやブログなどでも良いです。まず他の地域の愛好家の投稿を読むことで、他の地域で起こってる病害虫の問題を知ることができます。次に、自分の地域で何か異常があれば、それを発信しましょう。最後に、もし困っている人がいれば、対策方法など自分が知っていることは教えてあげましょう。

実際にミツバチQ&Aの投稿の例をご紹介します。この方は愛知県の方ですが、最近アカリンダニの被害が増えてきたそうです。この投稿には、より早い時期に被害が深刻化した地域の方からアドバイスが投稿されていました。

次に、秋田県の方が、アカリンダニの被害が報告されています。この方によると、まだ秋田ではアカリンダニの大きな被害が出ていないそうです。このような投稿は、近隣の地域の皆さんへの注意喚起になります。もちろん、必要に応じて家畜保健衛生所への連絡も行なってください。

インターネットの特に有効な活用方法を最後にまとめます。まず、被害が発生した地域の愛好家の投稿を読むことで、被害の規模や症状、対策方法を学ぶことができます。アカリンダニはミツバチとミツバチの接触や、人間による群れの移動が原因で広がって行きますので、地域によって被害の発生時期や程度に違いがあります。サックブルードについても、現在深刻な地域とそうでない地域があります。このような地域間での情報格差を、インターネットで埋めることができます。

次に、特に有効なのは、地域を超えた対策方法の伝授です。先ほど書いたように、被害が早くから発生した地域では対策も実践を経て、経験やノウハウがためられています。そういった方々が、被害が発生したばかりで困っている愛好家の人に対策を教えることが重要です。

次に、今日ここに来られている方のように、研究者の方々などから、正しい情報を得た人が、それを伝えてあげることです。

このような養蜂家同士の情報交換で、できる限り被害が発生する前から症状や対策方法を知り、被害を最小限に食い止めましょう。

最後に、インターネット上での情報の注意点です。インターネット上の情報は、非常に早く伝わりますが、内容が正しいかどうかが限らないという問題があります。これについては十分に注意してください。悪意を持った人の投稿はもちろん、勘違いや根拠のない噂も広がりやすいです。このような点には十分注意して情報を扱ってください。

ミツバチは群れの中でフェロモンや音などを活用して、高度なコミュニケーションを行っています。私たちもミツバチのように連携して情報交換することで、病害虫の対策を行って行きましょう。






毎週養蜂の情報が届く!メールマガジン登録

季節に応じた飼育情報をお届けします。これから始める人のチャレンジもサポート!

6,000人以上が登録している大人気のメルマガです。登録は無料です。いつでも配信停止できます。

更新日: