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キンリョウヘンは分蜂時期に合わせて開花調整する必要があります。分蜂の開始に遅れると、最も分蜂が多い時期を逃すことになります。反対に分蜂よりも早く開花させると、せっかくのキンリョウヘンが有効活用できません。そこで、開花時期の調整が必要になります。このページでは多くのニホンミツバチの愛好家を悩ませるキンリョウヘンの開花調整の方法についてご紹介します。

開花調整しないと、開花時期は分蜂の後半に

見事にキンリョウヘンが咲いても、分蜂時期とずれれば宝の持ち腐れです。

キンリョウヘンは開花調整を行わないと、分蜂の後半に開花してしまいます。これではせっかくのキンリョウヘンの誘引効果をうまく活用できません。

私たちがキンリョウヘンを栽培している京都府北部では、キンリョウヘンは加温(凍らない程度は必要)しなくても、4月頃になると急に蕾が成長していき、5月の中頃には開花します。

しかし、地域の分蜂は4月の頭頃から始まり、開始数週間がもっとも多いです。5月中旬に咲いたとしても、分蜂は終盤に差し掛かったところです。分蜂があまりないので、せっかくのキンリョウヘンも効果を発揮できません。

キンリョウヘンを屋外よりも温かい環境で一定期間栽培して開花調整を行わないと、キンリョウヘンは分蜂の開始よりも遅く咲いてしまいます。

どのくらいずれるかは、地域によって気候や分蜂時期が異なるためはっきりしたことは言えませんが、ミツバチQ&Aなどでの全国の情報を聞くかぎり、どの地域でも開花調整は必要のようです。

開花調整して、キンリョウヘンを有効活用しましょう。

キンリョウヘンは、分蜂開始に合わせて開花させよう

キンリョウヘンに集まる探索蜂(分蜂時期に現れる、営巣場所を探す蜂)。分蜂時期に咲かせないと、キンリョウヘンに集まることはありません。

キンリョウヘンの開花調整の方法に入る前に、各地域でいつ開花させるべきかについて説明します。開花調整の目的をはっきりさせましょう。

キンリョウヘンの花は、分蜂の開始にタイミングに合わせて開花させるのがもっとも効果的です。

京都府北部では分蜂は4月の頭に始まって、5月末頃まで続き、夏場にも捕獲できることがあります。期間だけ見ると長いですが、始まってから数週間が最も分蜂数が多いです。6月以降の分蜂はごくわずかで、捕獲できればラッキーくらいのものです。

分蜂が多い時期が2ヶ月近いのに対して、キンリョウヘンの花は数週間しか持ちません。この数週間を最も分蜂が多い、分蜂の開始直後に合わせるのが効果的です。つまり、京都府北部では4月の頭に開花させるのが理想的と言えます。

ただ、分蜂の時期は年によって1,2週間は前後する場合もあり、完璧にぴったりというのはなかなか難しく、多少遅め、早めというのは仕方がありません。

全国の分蜂時期の目安は、だいたい次のようになっています。分蜂の開始時期に合うようにキンリョウヘンの開花調整を行なってください。

・九州南部:3月中旬から
・九州北部:3月下旬から
・四国:4月上旬から
・中国:4月上旬から
・関西:4月上旬から
・東海:4月上旬から
・関東:4月上旬から
・北陸:4月下旬から
・信越:4月下旬から
・南東北:4月下旬から
・北東北:5月上旬から

また、その年の分蜂状況は、日本全国のニホンミツバチ養蜂家が、分蜂を報告する分蜂マップを参考にしてください。

ニホンミツバチの分蜂時期が実際よりも遅いと思っている方も多いようです。分蜂マップをキンリョウヘンの開花調整にぜひご活用ください。


=> 分蜂マップ

開花調整の基本は、冬に屋外よりも気温が高い場所で育てること

先ほど説明したように開花調整しなければ、キンリョウヘンの開花時期は、分蜂の開始時期よりも1ヶ月程度は遅れてしまいます。開花調整は、すなわち開花を早めることです。

キンリョウヘンは寒さに強いので霜が当たったり凍結してしまったりして凍傷にならなければ屋外でも育てられますが、冬の間に屋外よりも少し気温の高い場所で栽培することで開花を早めることができます。

冬の間に屋外より少し気温が高い場所というのは家の中で十分で、キンリョウヘンの開花調整には温室は必要ではありません。

私たちは、屋外よりも少し暖かい場所ということで、玄関を利用しています。

地域・環境によって開花調整の方法は違う

私たちは京都府で栽培しているので、東北などの寒い地域や、反対に九州などの暖かい地域では開花調整のタイミング等が異なるようです。

九州南部の方から、特に何も開花調整はしなくてもキンリョウヘンが自然と分蜂時期に開花すると聞いたことがあります。

関西でも太平洋側は一年中屋外で栽培できるという話も聞きます。キンリョウヘンは寒さに強いので、凍結の心配がない地域では、開花調整も比較的行いやすいでしょう。

また、キンリョウヘンの開花調整は、個々の環境にも大きく影響されます。例えば、家の中に置く、玄関に置くといっても、家によって玄関の温度は結構違うでしょう。新しい小さめの家では玄関でも比較的暖かいですし、古い日本家屋では玄関はとても寒いです。

地域、環境によってキンリョウヘンの開花調整方法は変わってくるので、結局のところ、毎年どのように開花調整を行ったかの記録を自分でとり、毎年微修正していく必要があります。

もし同じ地域にキンリョウヘンの開花調整をうまくやっている方がいれば、その方に方法を直接聞くのが近道です。

開花調整を始める時期は霜が降りる時期から

キンリョウヘンを含むシンビジュームの開花時期の調整は、花芽ができたあとにいったん低温を経験させ、その後、加温することによって行います。

ここで注意が必要なのは、花芽が出てくるのは秋だということです。10月頃になると小さいですが花芽を見つけることができます。10月の時点ではまだ小さいので隠れていたりして見逃すかもしれませんが、1月になるとほとんどの株で花芽の有無が分かるようになります。

次の写真は12月上旬のキンリョウヘンの根元の様子です。花芽が写真中央のやや左、右端に計2つあります。この時期はまだ花芽は小さく、葉や土に隠れていることも多いです。

ポイントは、霜が降りる時期までは屋外で栽培して、寒さを経験させることです。寒さを経験させる前の早い時期に暖かい屋内に移動させると花が咲きません。霜が降りてからが開花調整のスタートです。

霜が直接当たらないように軒下などで育てて寒さを経験させます。

開花を早めるには、暖かい場所で育てる

キンリョウヘンの開花調整は、基本的には開花を早めることです。つまり、外気よりも暖かい場所で育てます。

霜が降りたら、屋内に移動させます。玄関などの暖房器具がなく、隙間風も多少入ってくるような場所が良いです。

次の写真は玄関でキンリョウヘンを冬の間管理している様子です。玄関自体が広く、隙間風も多いので、外気とそこまで大きな違いはありません。(右端のものはキンリョウヘンではなく別のランです)

暖かすぎるのは失敗につながります。例えば、リビングのような場所では気温が高すぎます。暖房器具がある部屋で栽培すると、早く育ちすぎて分蜂よりも早い時期に花が咲いてしまいます。

また、最低気温が14度以下になることも重要です。最低気温が14度以上の場所は、つぼみが成長しないで落下することがあります。

キンリョウヘンは寒さに強い品種です。くれぐれも過保護にならないように気をつけてください。

開花を遅らせるには、温度が低い場所に移動させる

開花調整では、反対に開花を遅らせたいこともあります。

例えば、分蜂が近くなった時に花芽がすでに大きくなりすぎていて、このままでは分蜂時期よりも少し早く咲いてしまいそうになることがあります。

キンリョウヘンの開花を遅らせるには、反対に気温ができるだけ低い場所に移動させます。ただ、急に温度が低い所に移動すると、蕾が落ちる事があるので注意が必要です。

家の中で気温が低いところがあれば徐々に移動して、様子を見て下さい。

待ち箱ルアーとのキンリョウヘンの併用がおすすめ

キンリョウヘンは分蜂時期に合わせて開花させることができれば効果は大きいですが、キンリョウヘンの開花調整は難しく、分蜂の開始時期にぴったり合わせて咲かせるのは難しいです。

また、咲いたとしても花は鉢植えの状態で4週間くらい、切り花で10日くらいしか持ちませんので、ニホンミツバチの分蜂時期をすべてカバーすることができません。

キンリョウヘンをたくさん持っている方の中には、キンリョウヘンをグループで管理して少しずつ開花調整の方法を変えて、時期をずらして開花させている方もいます

ただ、キンリョウヘン自体も高価ですし、株分けして増やすのも時間がかかるため、多くの人にとって現実的ではありません。

2014年から、キンリョウヘンの誘引成分を化学的に合成した待ち箱ルアーという製品が発売され、数千人の養蜂家が利用しています。待ち箱ルアーはキンリョウヘンと同等の効果があり、さらに効果の持続が45日間もあります。

キンリョウヘンの開花調整がうまくいかず、分蜂時期に合わない場合、キンリョウヘンが咲き終わった後も続く分蜂群れを捕獲したい時には、待ち箱ルアーを使うのが効果的です。

次の写真は、待ち箱ルアーを取り付けた巣箱にニホンミツバチが誘引されている様子です。写真中央の白い袋に入ったのが待ち箱ルアーです。

待ち箱ルアーについては次のページをお読みください。

=> 待ち箱ルアー

東北では開花調整が難しい?

東北ではキンリョウヘンの栽培、開花調整が難しいという声をよく聞きます。

2014年から、キンリョウヘンの誘引成分を化学的に合成した、「待ち箱ルアー」が発売されていますが、特に東北地方の方から製品を高く評価していただくことが多いです。

養蜂家の交流サイト、ミツバチQ&Aで質問したところ、うまく行っている人もいますが、難しいという声も多く聞かれました。

東北ではキンリョウヘンの栽培が難しいとよく聞きますが、特にどの部分が難しいですか?|ミツバチQ&A

当方は岩手県ですが、分蜂時期に開花時期を合わせることはほぼ不可能です。過去六年養蜂してますが、開花が分蜂時期にドンピシャと当たったことはありません。キンリョウヘンの開花には複数の要素(気温、日照、日数など)が必要で、そのいずれかの要素の環境が日本の東北では揃いにくいのだと思われます。
(中略)
そういう意味では待ち箱ルアーは本当によい発明品だと思います。集蜂効果はキンリョウヘンよりも高いと感じていますし、なにより管理が楽です。キンリョウヘンを栽培するよりは大人しく待ち箱ルアーを購入したほうがいいと思います。

東北は寒さが厳しいので、凍傷になって枯れてしまう心配はありますし、他の地域と比べて室内に取り込む期間も長いので、キンリョウヘンの栽培や開花調整も難しいのは確実に言えそうです。

同じ質問の回答でも、うまく育てている方ももちろんおられました。

私は東北仙台在住ですが特に問題は無いと思います、

また、東北の岩手県の養蜂家の藤原 誠太さんは日本ミツバチ―在来種養蜂の実際 (新特産シリーズ)で以下のように書かれています。

キンリョウヘンは冬期でも凍りさえしなければ戸外で育てることができるが、高地や寒地では室内に置く。夜間、凍らなくなってから、屋外に出して育てると、不思議とそれぞれの地方の日本ミツバチの分封に合うように花が咲く。

このように、うまくいくと言っている方もいますが、東北では開花時期が合いにくいという声も多く聞かれます。東北地方の方は、キンリョウヘンの栽培が他の地域よりも難しい可能性が高いと考えてくださって良いです。

開花調整で悩んだらミツバチQ&Aで質問

キンリョウヘンの開花時期調整はケースバイケースのものが多いです。ミツバチのことならなんでも質問ができるミツバチQ&Aで、キンリョウヘンの写真と一緒に、開花調整について聞いてみてください。

ミツバチQ&Aは、日本中の養蜂家が利用しています。同じ地域の養蜂家が、その地域の気候にあった栽培方法、開花調整方法をアドバイスしてくれます。

キンリョウヘンの開花調整は難しいですが、このページが少しでも多くの方に役立てば幸いです。

キンリョウヘンの育て方も解説しています

開花調整以外のキンリョウヘンの育て方についても解説しています。

=> キンリョウヘンの育て方

キンリョウヘンなどを使った分蜂群の捕獲方法とコツについても詳しく解説しています。

=> 分蜂群れの捕獲方法



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