趣味でニホンミツバチを飼育する人が増え、静かなブームになっています。テレビや新聞で取り上げられることも増えてきました。
家庭菜園のような感覚で、自家製ハチミツを収穫できることが魅力です。
実は、DASH村や金スマのひとり農業でもニホンミツバチを飼育していました。あなたも始めてみませんか?
家庭菜園の延長で養蜂してみませんか?
養蜂って難しい印象がありませんか?
実は、日本には、在来種のニホンミツバチと明治時代に海外から導入されたセイヨウミツバチの2種類のミツバチがいて、養蜂の方法は大きく異なります。ほとんどの人の養蜂のイメージは、セイヨウミツバチのものです。
ニホンミツバチの養蜂はとてもシンプルです。庭の木に取り付けた巣箱に小鳥が住み着くように、巣箱を置いておくとニホンミツバチがやってきて巣を作ります。巣が大きくなればハチミツを採ります。
高い技術・知識が必要ないため、家庭菜園の延長で行うことができ、最近は飼育者が増加しています。
趣味の養蜂には魅力がいっぱい
趣味の養蜂の目的はハチミツを採るだけではありません。愛好家にとって、ニホンミツバチはペットのような存在です。
毎日ニホンミツバチを眺めて元気をもらったり、一緒に養蜂する仲間を作ったり、飼育方法や生態を研究して楽しんだり…。養蜂でより人生が楽しくなったという声も多いんです。
その魅力について、次のページでは詳しく紹介しています。
養蜂で友達の輪が広がる
ミツバチは誰でも知っていますが、養蜂はまだまだ珍しく、ユニークな趣味です。ニホンミツバチを飼育していると言うと、多くの人が興味を持って話を聞いてくれるので、会話のネタに困りません。
自分にも教えて欲しいと頼まれることも多く、いろんな形で輪が広がっていきます。
ハチミツをプレゼントしたり、フリーマーケットで販売したりすることで、たくさんの出会いも生まれます。
幻とも言われる美味しいハチミツが採れる
実は、ニホンミツバチのハチミツは幻と言われるほど貴重です。
一般に売られているのは、セイヨウミツバチのハチミツです。ニホンミツバチのハチミツは、ハチミツ専門店でも販売しているところはほとんどありません。その独特の深い味わいと希少性から、小さな瓶で1万円近い値段で売られることもあります。
また、最近ではハチミツの健康、美容効果にも注目が集まっています。しかし、流通しているハチミツの中には、混ぜ物や加熱・加工により、せっかくの栄養素が台無しのものもあると言われています。自家製のハチミツはもちろん未加工・未加熱なので、安心して食べられます。
気になる生産量ですが、健康なニホンミツバチの1群からは、年間5から10kgのハチミツが採れます。環境にもよるのであくまで目安です。
ハチミツの生産量はセイヨウミツバチの5分の1とも10分の1とも言われていますが、自家消費用なら1群でも十分な量です。
趣味なのに、高級品が収穫できるのも、ニホンミツバチの養蜂のすごいところです。
ニホンミツバチならシンプルな飼育方法
ニホンミツバチの飼育は、巣箱に勝手にニホンミツバチが住み着いているという状態です。
世話をせず、餌も与えず、秋頃になると貯まったハチミツの一部をもらいます。ニホンミツバチの飼育は大家さんと似ています。
快適な家(巣箱)を提供し、その家賃としてハチミツを一部いただくのです。
セイヨウミツバチの養蜂と比べてるとあまりに原始的で、プロの養蜂家の方からは、「こんなものは養蜂と呼ばない」 とお叱りを受けることがあります。
しかし、特別な技術が必要ないので趣味で飼育するのにはぴったりです。実際に、多くの方が自分の庭や畑に巣箱を置いて、ニホンミツバチの飼育を始めています。
周りに養蜂をしている人が全くいない中、インターネットだけの情報で飼育する人も珍しくありません。
ニホンミツバチの場合、「養蜂家」と呼ばれることに違和感を持つ人も多いです。
ニホンミツバチは大人しい
「ハチは刺すから怖い」 とよく言われます。「ハチ」は、ニホンミツバチではなく、スズメバチやアシナガバチの場合がほとんどです。
ニホンミツバチは大変大人しく、寒い時期や群れの健康状態が悪化している場合などを除けば、近づくだけなら刺すことはめったにありません。
暖かい季節なら、写真のように巣の入り口に手を近づけても大丈夫です。
ニホンミツバチの攻撃性が低いことも、多くの人がペットのように可愛がる理由の1つです。
お金や手間があまりかからない
ニホンミツバチの養蜂には、あまりお金がかからないことも人気の1つです。管理に手間もかからず、しかも高価なハチミツがとれます。
- 巣箱は手作りすれば数千円で準備できます。
- 群れは、野生の群れに引っ越してきてもらいます。(※有料の誘引剤を使う場合が多い)
- エサを与えなくも良いので、餌代もかかりません。
- 養蜂専用の器具ではなく、台所用品やホームセンターで売られているものを使います
- 庭先や畑の小さなスペースに巣箱を設置できます(田舎の場合)
もちろん、巣箱制作の道具を揃えたり、ニホンミツバチの誘引剤(後ほど紹介)を購入する場合も多いですが、数回ハチミツが採るだけで十分に回収できます。
田舎なら飼育できる
ニホンミツバチは北海道と沖縄を除いた、広い範囲に生息しています。なんと、東京や大阪でも野生の群れが見つかることも多く、どこにでもいる昆虫です。
2022年春には、ザ!鉄腕!DASH!!で、新宿の屋上に設置した巣箱に、ニホンミツバチが入居し、飼育を始める様子が紹介され、大きな話題となりました。
どこでも生息しており、趣味で飼育する場合、養蜂の場所を制限する法規制は一部の地域を除いてありません。
しかし、安全性の確保や、近隣への迷惑を考えると、養蜂できる場所は限られます。住宅地ではご近所トラブルが起こりますので、絶対に飼育しないでください。
田畑に住宅が点在するような地域なら飼育ができますが、それでもトラブルには細心の注意を払ってください。ご近所トラブルについて詳しくは次のページをお読みください。
趣味のニホンミツバチ養蜂の場所は?花畑は必要ですか?
花畑は必要なく、自宅の庭や畑の隅などで行うことができます。花畑のように短期間に同じ花がたくさん咲いて終わる場所ではなく、周囲に様々な花があり年間を通して咲いている花がある場所の方が良いです。詳しくは、こちら
マンションのベランダでミツバチの飼育、養蜂はできますか?
集合住宅のベランダでは養蜂を絶対に行わないでください。ミツバチの糞が洗濯物を汚したり、明かりに吸い寄せられて隣人の部屋にミツバチが入ってしまう、分蜂時に大騒ぎになるなどの近所トラブルがあります。詳しくは、こちら
ビルの屋上でもニホンミツバチの養蜂はできますか?
ビルの屋上でもニホンミツバチを飼育することはできますが、群れの捕獲や暑さ対策の難しさ、近所迷惑の問題から初心者にはお勧めできません。詳しくは、こちら
ニホンミツバチの養蜂に必要な資格や免許は?
ニホンミツバチの養蜂には、必要な資格や免許はありません。しかし、勝手に始めることはできません。
養蜂は、家畜保健衛生所の管轄となります。これは、セイヨウミツバチが、牛や豚などと同じく、家畜であるためです。
ニホンミツバチは野生の虫ですが、セイヨウミツバチと一括りにされていますので、養蜂振興法に基づいて届出を行う必要があります。
最悪の場合は飼育が認められない可能性もありますが、個人で趣味で少数のニホンミツバチの群れを飼育する場合は、心配は不要です。詳しくは次のページをご覧ください。
捕獲は最初の大きなハードル
ここからはニホンミツバチの飼育方法を紹介します。まずは野生のニホンミツバチに巣箱に引っ越してもらう必要があります。引っ越して来てもらうことも含めて群れを入手することを「捕獲する」という場合が多いです。
ニホンミツバチの飼育には様々な長所・利点がありますが、捕獲は大変です。ザ!鉄腕!DASH!!でも、新宿の屋上にやってくるまで5年かかっています。
もちろん、もっと早く捕獲できる場合もあります。捕獲を成功させるための様々なコツがあり、このサイトでは、飼育の最大のハードルである捕獲に重点をおいて解説を行っています。
セイヨウミツバチと違い、群れを販売する業者がないため、自分で捕獲するのが一般的です。
ニホンミツバチの飼育を始めるのは春から
まず大切なのは時期です。ニホンミツバチが巣箱に引っ越して来てくれるのは、春先です。九州だと3月中旬から、中国地方から関東だと3月末からです。この時期を逃すと捕獲が大変難しくなります。シーズンまでにしっかりと準備する必要があります。
捕獲シーズンに遅れてしまう失敗が大変多いです。 3月、4月の忙しい時期なので、準備を早めにしっかり終わらせ遅れないようにしてください。ニホンミツバチの捕獲シーズンについて詳しくは、次のページをお読みください。
それでは捕獲のステップを1つずつ紹介します。なお、捕獲に必要なものを揃えた便利な週末養蜂スタートキットもご用意していますので、時間がない方にはキットがおすすめです。
ステップ1 巣箱を用意する
まず巣箱を用意します。ニホンミツバチの飼育では、重箱式巣箱という巣箱が一般的です。
高い精度は要求されないため手作りでも大丈夫です。なるべくたくさんの巣箱を捕獲シーズンまでに用意することが重要です。巣箱の作り方は次のページで紹介しています。
ステップ2 巣箱を設置する。蜜蝋、待ち箱ルアーを利用
ニホンミツバチを誘引するため、巣箱にニホンミツバチの蜜蝋(みつろう)を塗ります。
一般に売られている蜜蝋のほとんどはセイヨウミツバチの蜜蝋で、ニホンミツバチの蜜蝋はほとんど販売されていません。
当サイトでは、そんな貴重なニホンミツバチの蜜蝋も販売しています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
さらに、キンリョウヘンという蘭の誘引成分を化学的に合成した待ち箱ルアーを用意します。
キンリョウヘンは、ニホンミツバチをフェロモンの作用で誘引するランです。一般的には無名ですが、ニホンミツバチの愛好家には広く知られています。
しかし、キンリョウヘンは育て方や開花時期の調整が初心者には難しいため、これから始める方にはこの待ち箱ルアーがおすすめです。
待ち箱ルアーは、毎年1万人以上が利用するヒット商品です。待ち箱ルアーの詳細は以下のリンクをご覧ください。
初心者の捕獲は簡単ではありません。ニホンミツバチを捕獲するために、蜜蝋を巣箱に塗ること、そして、待ち箱ルアーかキンリョウヘンのどちらかを使う、これは必ず行ってください。
ステップ3 ニホンミツバチが来るのを待つ
ニホンミツバチの捕獲シーズンが近づいたら、作った巣箱をいろんな場所に設置します。たくさんの巣箱を分散させて設置するのがポイントです。
家の前と裏など、狭い範囲に複数設置してもあまり意味がないので、それぞれ数百メートルは離しましょう。
巣箱を設置すれば、後は待つだけです。巣箱を動かしたり、いじるのは逆効果です。じっくりと待ちましょう。
捕獲できるかどうかは、運にも大きく左右されます。ニホンミツバチの捕獲はそう簡単ではなく、何年もかかる場合があります。
このサイトで紹介している捕獲のコツをよく読んで実行してください。
冬の間にしっかりとした準備を行うことが重要です。捕獲のコツで詳しく紹介しています。特に、巣箱作りと場所の確保は時間がかかるので気をつけてください。
週末養蜂スタートキットがおすすめ
これから始める方には、弊社が出版している教材、これならできる!ニホンミツバチの週末養蜂【DVD付】に、巣箱や待ち箱ルアー、ニホンミツバチの蜜蝋がセットになった週末養蜂スタートキットがおすすめです。
捕獲に必要なものがすべて揃います。動画で紹介していますので、ぜひご覧ください。
毎年800個以上販売している人気商品で、お客様のレビューもよく、ご好評いただいております。次の動画では、スタートキットの概要と設置方法、ニホンミツバチの入居から採蜜までを24分で紹介しています。
週末養蜂スタートキットの詳細・購入の案内は次のページをお読みください。
補足情報
これから始めたい方からのよくある質問、補足情報の解説を動画で行なっています。これから始めたい方は、ぜひご覧になってください。