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そもそも、養蜂ってなんだという方も多いと思います。プロの養蜂家の仕事内容や、養蜂産業の現状等について紹介します。このサイトで紹介しているのは趣味の養蜂なのでプロの養蜂とは色々と事情が異なります。その点についても解説します。

養蜂とは

養蜂とは、「蜂蜜あるいは蜜蝋(ミツロウ)や花粉をとるためにミツバチを飼育することである。」と定義されます。(wikipediaより)

養蜂の歴史は古く、世界各地の壁画や文献にハチミツについての記述が残されています。

ヨーロッパやアフリカ、アジアなど、そして、日本、世界のほとんどの地域にはもともと野生のミツバチが生息していました。

太古の昔は野生の巣を破壊してハチミツを採取する、まさに狩猟によってハチミツを採取していたようです。

その後、ミツバチは狭い空間に巣を作る性質があるため、これを利用した巣箱が開発されました。

丸太をくり抜いた巣箱が世界中で広く使われていたようです。日本でもこのタイプです。ミツバチが山の中の木の中に巣を作るのを見て、再現したのでしょう。

ヨーロッパでは藁製の巣箱が使われていたそうです。これは軽くて持ち運びに適するという理由のようです。また、スリランカでは陶器の壺の巣箱を見ました。

これらに共通するのは、巣箱内にミツバチに巣を作らせ、ハチミツが貯まった後に巣を丸ごと壊してハチミツを採るという方法です。

この原始的な方法を長い間続けていた養蜂界にも19世紀半ばになってようやく革命的な養蜂技術の進化が起こりました。

それが、よくテレビなどでもお馴染みの、引き出せるタイプの巣箱です。ラングストロス巣箱や、巣枠式巣箱と呼ばれています。

この巣箱によって、養蜂技術は飛躍的に向上しました。オーストラリアなど元々ミツバチが生息していなかった地域にも持ち込まれ、世界中の広い範囲で養蜂が行われています。

養蜂家の仕事は?

簡単に言うと、養蜂家の仕事は、ミツバチを飼育し、花の蜜を集め、ハチミツ等を作り出すことですが、これだけではありません。

ミツバチを増やして販売したり、イチゴ農家等に受粉用のミツバチをレンタルすることも重要な仕事です。

イチゴのように受粉用のミツバチがいないと栽培することができない作物も多くあります。

このため、ミツバチ不足になると大きなニュースとして扱われるのです。

また、ミツバチプロジェクトなど、世間のミツバチ・養蜂についての関心の高まりから、養蜂インストラクターなどの活動をされている方もおられます。

日本にはどのくらいの数の養蜂家がいる?プロの養蜂家はおおよそ6000戸数

まず、事業としての養蜂を行う人、つまりプロの養蜂家はどのくらいいるのでしょうか? おおよそ6,000戸数と考えられます。

これについては国の統計があります。 養蜂をめぐる情勢(平成29年10月)| 農林水産省

平成24年度まではプロの養蜂家のみ届け出をするルールでした。平成25年からは趣味の養蜂家も原則届け出が必要になったので増えていますが、プロの養蜂家は大きく増えていることはないでしょう。

統計ではニホンミツバチ、セイヨウミツバチは区別されていませんが、プロの養蜂家のほとんどはセイヨウミツバチで養蜂を行なっています。

日本では、海外からの安いハチミツが流入してくること、よいハチミツを採るための自然環境が不足していることから、商業的な養蜂家は年々減少傾向にあります。

また、1人あたりの飼育群れ数も諸外国と比べると少なく、農家が副業的に行なっている場合が多いようです。

人件費が安い国や、国土が広い国は、ハチミツの生産では勝負になりません。例えば、中国やアルゼンチンはハチミツの生産量が多い国です。

今後も、プロの養蜂家としては厳しい状況が続いていくでしょう。

統計データが存在しない趣味の養蜂。およそ数万人?

それでは、趣味の養蜂家はどのくらいいるのでしょうか?

平成25年から趣味の養蜂家も届け出が必要になりました。その後4000人ほど戸数が増えており、この戸数が趣味の養蜂家となるはずですが、これはあまりに少ないです。

制度の改正自体を知らないなどの理由で、届け出を行っていない人が多いと考えられます。

趣味の養蜂の実態はよく分かっておらず、国にもデータがないようです。

サイトのアクセス数や、イベントの来場者数、養蜂器具の販売数などから考えると、実際にはこの何倍もの趣味の飼育者がいると考えられます。

プロの養蜂を行う場合、そのほとんどがセイヨウミツバチの飼育ですが、趣味の世界ではセイヨウミツバチではなく、ニホンミツバチを養蜂する人も一定数います。

ニホンミツバチ、セイヨウミツバチ合わせて数万人から5万人程度の趣味の養蜂家がいるのではないかと考えています。

養蜂家は儲かる、年収は高い?

プロの養蜂家を考えた場合、年収が高い職業とは言えないでしょう。

日本国内の養蜂業者は家族経営などの零細企業がほとんどです。

農業と同じく、大規模化や工夫によって、儲かる養蜂を実現されている方もいると思いますが、基本的には厳しい状況です。

元々ある土地を利用して副業として収入を得たり、イチゴなどのミツバチによる受粉が必要な農家がミツバチを自分で飼育してハチミツも生産するような形が適していると思います。

ハチミツは保存が効きますし、重量当たりの単価も他の農作物と比べると高いので、海外産との競争がどうしても激しくなります。

また、最近では農薬で大きな被害を受ける場合もあり、業として行う場合は大きなリスクとなります。

ハチミツの生産を目的とした養蜂を行うのは、相当な覚悟が必要です。

養蜂家になるには?

それでも養蜂家になって食っていきたいという人もいると思います。

ただ、養蜂家への道はなかなか厳しいです。

まず、国内のハチミツの生産量は非常に低く、平成28年はわずか5.4%の自給率です養蜂をめぐる情勢(平成29年10月)| 農林水産省 より

産業としての養蜂の規模は非常に小さいと言えます。このため、養蜂場で働こうと思っても、求人はなかなかありません。

それでは新規の養蜂家として起業するのはどうでしょうか?

農業や畜産などと比べると、養蜂の初期コストはそこまで高くありません。養蜂には100万円以上もするような高い機械は必要ないですし、建物を建てる必要もありません。

しかし、良い場所がすでに先輩養蜂家に抑えられていることや、一から販路を開拓することを考えると大変だと言えます。

これから始める場合養蜂だけで生計を立てるのは現実的でないため、養蜂をしたいのであれば、他の収入源を持ちながら副業で始めるべきという意見をよく目にします。

"趣味"の養蜂家になるには?個人での趣味の養蜂は可能?

プロの養蜂家になりたい人に会うことはあまりありませんが、個人で趣味で、庭先で養蜂したいという人は増えていると感じています。

個人で養蜂することは十分に可能です。最近では趣味で、個人で飼育する人も増えています。

養蜂には、土地は意外と必要ありません。田舎に住んでいて、庭があればそこに巣箱を置くことができます。

また、何十万円もするような効果な機械や道具は必要なく、初期費用もそれほど高くありません。エサも必須ではありませんので、維持費用も意外と低いです。

そして、ハチミツも採れます。家庭菜園やペットの飼育などの趣味と比べてもお金が特にかかるということはないのです。

日本では商業的な養蜂は厳しい現状ですが、個人の趣味養蜂はまだまだ広がる余地があります。

最近では、都市部で養蜂を行うミツバチプロジェクトが各地で行われていますし、鉄腕DASHのDASH村や、金スマのひとり農業でニホンミツバチの養蜂が取り上げられたりしています。

日本だけでなく、欧米の先進国では安い輸入ハチミツに押されて養蜂産業は衰退していますが、趣味の養蜂、特に、最近では都市部で屋上で養蜂する活動なども多くの都市でみられます。

私たちは趣味の養蜂家です。プロの養蜂家になって生計を立てて行くのは大変だと思いますが、趣味の養蜂家になるのは、多くの人が思っているほど難しいことではないと思います。

アメリカやEUの統計を見ると、安いハチミツが海外から流入して来ることで国内の養蜂産業が衰退していること、また、ミツバチへの関心の高まりから趣味の養蜂家が増えるというのは、先進国で共通して言える現象です

個人・趣味の養蜂の資格や許可は?

個人で養蜂を始める場合、特に資格や許可は必要ありません。

自治体を通して国に届け出る必要がありますが、趣味で飼育するだけなら許可が降りないということはありません。

大阪府のように、養蜂を行う場所について厳しく条例で定められている場合もあります。

また、当然ですが、養蜂は近所トラブルにつながりやすい行為であるため、迷惑をかけないように十分に注意して行うようにしてください。

次のページを読んでください。

ニホンミツバチ飼育の注意点

個人の趣味の養蜂なら、ニホンミツバチが飼育もおすすめ

日本には、在来種のニホンミツバチと、セイヨウミツバチがいます。

プロの養蜂家でニホンミツバチを飼育する人はおらず、セイヨウミツバチでハチミツが生産されています。

しかし、趣味での飼育では、ニホンミツバチも十分に選択肢に入ってきます。

採れるハチミツの量は少ないですが、野生の群れを捕獲することで安く群れを入手できますし、野生のニホンミツバチを自然に住むのと同じように飼育すれば専門知識の学習が少なくて済むという特徴があります。

セイヨウミツバチとニホンミツバチの違いについては次のページをご覧ください。

セイヨウミツバチとニホンミツバチの違い

養蜂で得られるもの1. ミツバチが生み出すもの

ミツバチは、ハチミツだけではなく、私たちに多くのものを与えてくれています。
ミツバチが産み出してくれるのは、以下のものです。

ハチミツ
ハチミツは言うまでもなく、甘味料や調味料として世界中で広く使われています。知らない人はいないと言うものですね。
ミツバチが集めた花の種類によって味も大きく変わり、世界中には数え切れないくらいの種類のハチミツがあります。

ローヤルゼリー
ローヤルゼリーは健康食品として広く知られています。これは、女王蜂のための特別食です。

驚くべきことに、女王蜂と働き蜂は、卵の時点では違いはありません。ローヤルゼリーを与えられて育つことで、女王蜂に育ちます。

ローヤルゼリーには、ビタミン、ミネラルなどが広く含まれています。ハチミツのようにたくさん生産することはできず、高価な食品です。

プロポリス
ミツバチが木の芽や樹液などから集めた樹脂で、巣の隙間を埋めたり、巣を守るため使われます。
一般に健康食品とされますが、効果がまだよくわかっていない部分も多いようです。
なお、ニホンミツバチはプロポリスを集めないという特徴があります。

花粉
花粉は、ミツバチが集めた花の花粉のことです。ミツバチは蜜だけでなく花粉も集めます。花粉は栄養素に優れています。ローヤルゼリーが高い栄養素を持つことが知られていますが、ミツバチが集める花粉がその元になっています。栄養食品として花粉が販売されています。

蜜蝋(みつろう)
蜜蝋(みつろう)とは、ミツバチの巣の材料です。これは食用ではありません(食べても無害ではなく、料理に使う国もあるそうです)。最大の用途はクリームや口紅などの化粧品の材料です。また、電気のない時代は、ヨーロッパではロウソクの材料として貴重なものだったようです。ススが出にくく、香りも良いため、愛好家もいます。

養蜂で得られるもの2. ミツバチの貢献で野菜や果物の収量が増加

ミツバチは様々な野菜、果物の花粉媒介を行うことで、農業にも貢献しています。

イチゴやメロンのハウス栽培では、ミツバチが受粉に欠かせません。

ミツバチの大量死が話題となったのは、ミツバチがいなくなることで多くの食物の受粉ができなくなるからです。

ミツバチを飼育し始めると、家庭菜園の野菜や、庭の果樹の実りがよくなることがあります。

養蜂の恩恵はハチミツだけではなく、もっと大きいのです。

養蜂で得られるもの3. ミツバチも可愛い!

養蜂愛好家の多くは、ペットのようにミツバチを可愛がっています。

詳しくは次のページをご覧ください。 週末養蜂とは?ハチミツだけじゃない、意外な養蜂の魅力

もちろん、ハチミツがたくさん採れて儲かることに越したことはありませんが、例えハチミツがあまり採れなかったとしても、十分な魅力があるのです。



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