Qニホンミツバチは山の中で飼育するのが一般的ですか?更新日: 2020年10月08日
ニホンミツバチは在来種なので、山に住んでいるイメージがあると思います。
次の動画のように、木にできた空間に巣を作ることが多いです。巣の中の様子もエンドスコープで撮影しました。ぜひご覧ください。
また、テレビや雑誌などで紹介される日本ミツバチの養蜂は、秘境と言ってもいいような、かなりの山奥で飼育されていることが多いです。
例えば、宮崎県の椎葉村や、和歌山県の古座川、長野県の伊那谷では、伝統的なニホンミツバチの飼育が盛んで、よく紹介されています。
このため、山の中でないと飼育できないと思っている方もいると思います。
しかし、野生のニホンミツバチは公園や庭などの木や、民家やお墓の中など、平野部でも巣を作って暮らしています。
また、飼育場所としては、山の方がむしろ適していない条件が多いので、家の周辺の庭や畑で飼育することをおすすめします。理由としては次の3つあります。
1つ目は、蜜を集める植物が少ないことです。一見自然豊かに見える山でも、日本の大部分の山には植林が行われており、人が住む平野部周辺では杉やヒノキなどの蜜を出さない木がほとんどです。
2つ目は、熊に襲われることが多いことです。熊はハチミツの匂いに誘われてやってくるので、熊の目撃証言がある地域では被害がでやすいです。
山の中に置いておけば間違いなくやられるでしょう。九州など、熊が生息していない地域は別として、熊の生息地域では熊はスズメバチと並ぶ、ニホンミツバチの天敵です。
3つ目は、作業の困難さです。斜面が多い山の中にまで巣箱を運ぶのは大変ですし、採蜜などの作業も大変です。
このように、山の中で飼育することはメリットがないので、山が周囲にある自然が豊かな地域の方も、自宅の庭や畑などで飼育してください。
実際に、週末養蜂が活動している京都府北部は山が多く自然が豊かな地域ですが、山の中に置いているという巣箱はほとんどありません。それでも、山から降りてきた熊にニホンミツバチがやられてしまいます。山の中に置いておけば、まず間違いなくやられてしまうでしょう。
また、近くに良い広葉樹林があり、良い蜜源になりそうな場合も、その山の中に置く必要はありません。ニホンミツバチは最大2kmほど飛行して蜜を集めに行くと言われています。
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