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ニホンミツバチの飼育場所の選び方と注意点

更新日:2023年12月18日

ニホンミツバチってどこで飼育できるの?と疑問を思う方も多いと思います。このページではニホンミツバチの飼育場所について解説します。

  • 目次
  • 田舎ならどこにでもある

    設置場所については疑問が尽きないと思います。

    養蜂家

    ミツバチがやってくる場所なんて、どうやったら見つかるのだろう?広大な敷地が必要なのかな?山じゃないと飼育できない?

    設置場所には悩み過ぎないでください。ニホンミツバチの巣箱は、家の前の庭や、畑の隅などに設置できます。

    周囲の安全が確保できれば、巣箱の設置自体に必要なスペースは1メートル四方で十分です。田舎で周囲に田畑が広がるような場所では、設置場所は比較的簡単に見つかるのです。

    意外とどこにでも巣を作るニホンミツバチ

    ニホンミツバチは山の中では木の洞の中に巣を作ることが多いようですが、空間に合わせて巣を作ることに長けています。

    また、日当たりが良い場所、悪い場所、見晴らしの良い場所、悪い場所を問わず、様々な場所に巣を作っており、営巣の条件も厳しくないようです。

    平地では、民家の床下や、お墓に巣を作ることも多いです。時には電柱の中にも巣を作ります。また、木の枝などにむき出しの巣を作ることもあります。こうした群れは駆除されることも多く、蜂駆除業者のウェブサイトにはミツバチ駆除の案内もあります。

    ニホンミツバチの他にも、外来種のセイヨウミツバチが日本にいますが、「ミツバチが巣を作っていた」という場合、かなり高い割合でニホンミツバチです。

    セイヨウミツバチは養蜂場から逃がさないように管理しますし、外敵や気候に対応できないため日本では野生化していません。

    次の動画では、野生のニホンミツバチの巣をいくつか紹介しています。

    住宅地では飼育をやめましょう

    最近では都市養蜂が話題になることも多いように、都市部や住宅地でもニホンミツバチは生存できます。野生の巣が東京や大阪の都市部の公園や、大きな街路樹で見つかることも珍しくありません。

    また、前述のように営巣の環境も厳しく選びません。飼育場所選びのポイントは、安全性の確保と近所迷惑です。住宅地でも、ニホンミツバチが捕獲できる可能性はありますが、トラブルが起こりやすいので住宅地での飼育はやめましょう。

    特に、初心者はニホンミツバチの生態をよく理解しておらず、十分な対策ができないためトラブル発生の危険性が高いです。詳しくは次のページで紹介しています。

    近所トラブル対策

    住宅地での養蜂はトラブルにつながります。苦情だけではありません。ニホンミツバチで起こりやすい近所トラブルと防止方法を紹介します。

    Q

    ビルの屋上でもニホンミツバチの養蜂はできますか?

    A

    ビルの屋上でもニホンミツバチを飼育することはできますが、群れの捕獲や暑さ対策の難しさ、近所迷惑の問題から初心者にはお勧めできません。詳しくは、こちら

    A

    集合住宅のベランダでは養蜂を絶対に行わないでください。ミツバチの糞が洗濯物を汚したり、明かりに吸い寄せられて隣人の部屋にミツバチが入ってしまう、分蜂時に大騒ぎになるなどの近所トラブルがあります。詳しくは、こちら

    人が近づかない安全な場所が良い

    趣味で飼育するとなると、最も大事なのが安全性と近所迷惑防止です。家族以外があまり近づかない場所に巣箱を設置しましょう。

    巣箱を開けてハチミツを採る時は、10メートルは距離を取れることが望ましいです。また、冬は数メートルまで近づいただけで刺されることもあります。

    自分の土地や許可を得た土地に設置しますが、巣箱を見た子供が近づいて来るような場所や、地域住民の通り道に面している場所などは思わぬ事故やトラブルの原因となります。

    盗難を防ぐため、人目につかない場所に設置する

    また、人目につかないことも重要です。実は、巣箱やミツバチが盗難されることは珍しくないためです。

    養蜂家

    実は、各地でニホンミツバチの盗難事件が起こっています。最近では報道されることも多くなりました。2020年には面識がない家からニホンミツバチを盗んだ男が逮捕されました。また、ニホンミツバチを飼育している高校の敷地内から巣箱が盗まれる事件も発生しています。

    巣箱自体は盗まれなくても、「勝手にハチミツを盗られていた」、「巣箱に取り付けていた待ち箱ルアー を盗られた」などの被害の報告もあります。

    安全を確保するため自分以外が近づかない畑に設置しても、道路からよく見える場所はよくありません。過去の事件では残念ながら同じニホンミツバチの愛好家が逮捕されています。

    熊は最も厄介な天敵

    ニホンミツバチを飼育できるような地域では、熊が生息している場合が多いです。弊社が活動している京都府の北部では日中の目撃は稀ですが、熊が夜間に人里に降りてきて、庭の柿を食べるなどの被害が頻繁にあります。

    このような地域では、ニホンミツバチのハチミツが貯まるとかなり高い割合で熊に襲撃されます。このため、電気柵で囲う対策が必要です。

    電気柵は費用がかかるので、熊の心配が少ない場所に設置するのがおすすめです。熊対策については次のページで紹介しています。

    暑さ対策が最重要

    近年、酷暑が問題となっており、ニホンミツバチの飼育において暑さ対策が最も重要となっています。巣箱は日陰に設置することが望ましいです。

    日が当たる場所に設置することもありますが、十分に遮光を行います。また、舗装されていない草地で、建物の壁の照り返しなどの影響を受けない場所が良いです。

    ニホンミツバチは日本の多湿の気候には適応しているため、湿度は心配しなくても良いです。他には、巣箱の正面にスペースがあり、強い風が当たらない場所を選んでください。

    上記のような点を考慮すると、家の裏庭や、軒下が適しています。

    Q

    ニホンミツバチは山の中で飼育するのが一般的ですか?

    A

    山の中での飼育はあまり一般的ではありません。田舎の家の周囲や畑なので行えることが多いです。 巣箱などの運搬が難しいことに加えて、熊が生息する地域では、山の中では飼育が困難です。詳しくは、こちら

    A

    花畑は必要なく、自宅の庭や畑の隅などで行うことができます。花畑のように短期間に同じ花がたくさん咲いて終わる場所ではなく、周囲に様々な花があり年間を通して咲いている花がある場所の方が良いです。詳しくは、こちら

    1箇所で多くの群れは飼育できない

    複数のニホンミツバチの群れを同じ場所で飼育する場合、巣箱の間隔は1メートルもあれば十分です。ちゃんと自分の巣箱に入っていきます。

    しかし、別の問題があります。それは群れの過密です。一箇所にたくさんの巣箱を設置すると、同じ範囲の花の蜜を集めるので、1群れあたりの花の蜜が足りなくなり餌不足になります。

    餌不足になるとハチミツもたまりませんし、群れが調子を崩しやすくなります。また、群れが別の場所に逃げ出すこともあります。

    ニホンミツバチを重箱式巣箱で飼育する場合、人間ができることは限られています。最も大事と言えるのが、蜜源の状況に合わせて、ニホンミツバチの群れを適切な密度で設置することです。

    養蜂家

    たくさんの群れを飼育するには、分散した多くの飼育場所が必要となります。

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