ニホンミツバチの飼育場所の選び方と注意点
ニホンミツバチってどこで飼育できるの?と疑問を思う方も多いと思います。このページではニホンミツバチの飼育場所について解説します。
田舎ならどこにでもある
設置場所については疑問が尽きないと思います。
設置場所には悩み過ぎないでください。ニホンミツバチの巣箱は、家の前の庭や、畑の隅などに設置できます。
近所迷惑や、盗難被害の問題があるところは飼育できませんが、それ以外の場所では大丈夫です。田舎で周囲に田畑が広がるような場所では、設置場所は比較的簡単に見つかるのです。
意外とどこにでも巣を作るニホンミツバチ
ニホンミツバチは山の中では木の洞の中に巣を作ることが多いようですが、平地では民家の床下や、お墓に巣を作ったりします。
駆除されることも多く、蜂駆除業者のウェブサイトには、ほとんどの場合ミツバチ駆除の案内があります。
ニホンミツバチの他にも、外来種のセイヨウミツバチがいますが、外敵や気候に対応できず、野生化していません。
「ミツバチが巣を作っていた」という場合、かなり高い割合でニホンミツバチです。
高台の上がよいなど、ニホンミツバチが好む条件あるようですが、そのような満たさない場所でも意外と野生の巣があります。
住宅地では飼育をやめましょう
ニホンミツバチの飼育ができない理由のほとんどが、近所迷惑です。
最近では都市養蜂が話題になることも多いように、都市部や住宅地でもニホンミツバチは生存できます。
野生の巣が東京や大阪の都市部の公園や、大きな街路樹で見つかることも珍しくありません。
住宅地でも、ニホンミツバチが捕獲できる可能性はありますが、トラブルが起こりやすいので住宅地での飼育はやめましょう。
特に、初心者の場合は自分自身がニホンミツバチの生態をよく分かっておらず、管理もできないのでトラブル発生の危険性が高いです。詳しくは次のページで紹介しています。
住宅地での養蜂はトラブルにつながります。苦情だけではありません。ニホンミツバチで起こりやすい近所トラブルと防止方法を紹介します。
花畑が近くに必要?
花畑に巣箱を置くというのもよくある誤解です。
それは、ニホンミツバチではなくセイヨウミツバチの養蜂風景です。
巣箱を花の近くに人間が運び、花を求めて次々と移動させる養蜂の方法があり、それがテレビなどで紹介されるためでしょう。
花畑のすぐそばにミツバチが入った巣箱を置くと、その花のハチミツを集めることができます。
しかし、花畑に巣箱を置くとニホンミツバチは捕獲しやすいということはないです。
無理をして花畑を探さなくても大丈夫です。花畑はひらけたところにある場合が多く、遮るものがないため風が強く、直射日光も強く当たります。この点で適した場所ではありません。
自分の地域にニホンミツバチはいる?
ニホンミツバチはどこにでも存在しています。「絶滅危惧種」と言われることはありますが、もちろん環境省のレッドデータには登録されていません。広い範囲で見つかっている状況とはまるで異なります。
山間部だけでなく、東京の皇居周辺や大阪の大阪城周辺でもニホンミツバチの巣が見つかっています。また、離島でも生息しており、淡路島や小豆島、対馬、奄美大島、種子島、屋久島などでは愛好家がいます。
ただ、2010年からアカリンダニという海外から持ち込まれたダニによる被害で、ニホンミツバチが少なくなっている地域があります。
自分の地域でのニホンミツバチの状況についてより詳しい情報が必要な方は、当会が運営している ミツバチQ&Aで「〇〇にニホンミツバチは生息していますか?」のように質問してください。
勉強熱心な人が陥りやすい罠
最近では、本やインターネットで簡単に情報が得られるようになりました。
しかし、「いろんな人からいろんなことを聞いて、訳が分からなくなる」、「人や本によって違うことを言っていてどれが正しいか分からずに悩んでしまう」という人も多いです。
いろんな情報が溢れていますので、勉強熱心な方ほど混乱する状況になっています。まずこのことについて説明させてください。
前提として、ニホンミツバチの生態はまだはっきりと分かっていないことが多いです。
それぞれの人や本が、巣箱の設置場所や捕獲方法について全く逆のことを言う場合もあります。
その結果、いろんな情報を集めると、どれが正しいのか、よく分からなくなります。
注意が必要なのは、「〇〇でないとだめ」、「〇〇でないと捕獲できない」という表現です。これは強調である場合も多いです。
例えば、 「巣箱は南向きでないとだめ」 「巣箱の前はひらけた見晴らしの良い場所に設置しなければだめ」 と言われることがあります。
ただ、巣箱は北向きでも入ることはありますし、方角による差があるかは正直分かりません。
また、高台の上や、巣箱の前が崖になっている見晴らしの良い場所は良いと言われていますが、真反対の場所にも入ることもあります。具体的にどのくらい確率が良いかは統計的には分かっていません。
「〇〇でないとだめ」、「〇〇でないとミツバチはこない」と言う場合の多くは「〇〇の方が良い」、つまり「捕獲の可能性が高いと考えられる」ということの強調です。
多くの場合、その通りしないと捕獲できないという意味ではありません。
次の動画は、飛んで行った分蜂を追いかけて捕獲した様子です。とんでもないところに巣を作ろうとしていました。
「なぜこんなところに?」「他に良い場所が見つからなかったのかな?」と思うことも多いです。
1箇所に複数飼育する場合の間隔は?
複数のニホンミツバチの群れを同じ場所で飼育する場合、巣箱の間隔は1メートルもあれば十分です。ミツバチは間違って別の巣箱に入ってしまうことはありません。
しかし、別の問題があります。それは群れの過密です。一箇所にたくさんの巣箱を設置すると、同じ範囲の花の蜜を集めるので、1群れあたりの花の蜜が足りなくなり餌不足になることがあります。
餌不足になるとハチミツもたまりませんし、群れが調子を崩しやすくなります。また、群れが別の場所に逃げ出すこともあります。
ニホンミツバチを重箱式巣箱で飼育する場合、人間ができることは限られています。最も大事と言えるのが、蜜源の状況に合わせて、ニホンミツバチの群れを適切な密度で設置することです。
周囲の蜜源にどのくらい余裕があるかは、目で見てもよくわかりません。花がどのくらいあるかは何となくわかると思いますが、それを集めるニホンミツバチやセイヨウミツバチ、他のハナバチや昆虫がどのくらいいるかを知ることは困難だからです。
そこでおすすめするのは次のような方法です。まず1箇所には1群れだけを設置してください。巣の成長が早く、ハチミツもたくさん貯まるようであれば2群れに増やしましょう。
群れの過密は捕獲がうまく行き始めた中級者に多い、落とし穴です。
例えば、自宅内で1群れ飼育していて、春に分蜂を複数捕まえてそれをそのまま自宅に置いた場合、蜜源が不足することが多くあります。結果的に逃亡や消滅、スムシが繁殖しやすくなります。
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