ニホンミツバチの巣箱を設置する場所の選び方を解説します。田舎であれば設置場所は比較的見つかりやすいですが、安全性の確保や近所迷惑の防止など、考慮すべき点があります。
田舎ならどこにでもある
設置場所については疑問が尽きないことでしょう。
ミツバチがやってくる場所なんて、どうやったら見つかるのだろう?広大な敷地が必要なのかな?山じゃないと飼育できない?
設置場所には悩み過ぎないでください。ニホンミツバチの巣箱は、家の前の庭や、畑の隅などに設置できます。
周囲の安全が確保できれば、巣箱の設置自体に必要なスペースは 1 メートル四方で十分です。田舎で周囲に田畑が広がるような場所では、設置場所は比較的簡単に見つかるのです。
ニホンミツバチは野生のミツバチで、あなたの周りにも暮らしています。「養蜂に適した場所」を探すというよりも、「養蜂をしても安全が確保できる場所」という観点で探すとよいでしょう。
もちろん蜂蜜がたくさん採れる場所というものもありますが、最初から気にする必要はありません。
意外とどこにでも巣を作るニホンミツバチ
ニホンミツバチは山の中では木の洞の中に巣を作ることが多いようですが、空間に合わせて巣を作ることに長けています。
日当たりや見晴らしの良し悪しを問わず、様々な場所に巣を作っており、営巣の条件も厳しくないようです。
空間内の形状にも柔軟に対応できます。例えば、民家の壁の中に巣を作っていた例では、薄い壁の隙間を埋め尽くすように、細長い巣が作られていました。
平地では、民家の床下や、お墓に巣を作ることも多いです。時には電柱の中にも巣を作ります。
また、木の枝などにむき出しの巣を作ることもあります。こうした群れは駆除されることも多く、蜂駆除業者のウェブサイトにはミツバチ駆除の案内もあります。
ニホンミツバチの他にも、外来種のセイヨウミツバチが日本にいますが、「ミツバチが巣を作っていた」という場合、かなり高い割合でニホンミツバチです。
セイヨウミツバチは養蜂場から逃がさないように管理しますし、外敵や気候に対応できないため日本では野生化していません。
次の動画では、野生のニホンミツバチの巣をいくつか紹介しています。
住宅地では飼育をやめましょう
最近では都市養蜂が話題になることも多いように、都市部や住宅地でもニホンミツバチは生存できます。野生の巣が東京や大阪の都市部の公園や、大きな街路樹で見つかることも珍しくありません。
また、前述のように営巣の環境も厳しく選びません。飼育場所選びのポイントは、安全性の確保と近所迷惑です。住宅地でも、ニホンミツバチが捕獲できる可能性はありますが、トラブルが起こりやすいので住宅地での飼育はやめましょう。
特に、初心者はニホンミツバチの生態をよく理解しておらず、十分な対策ができないためトラブル発生の危険性が高いです。詳しくは次のページで紹介しています。
近所トラブル対策
住宅地での養蜂はトラブルにつながります。苦情だけではありません。ニホンミツバチで起こりやすい近所トラブルと防止方法を紹介します。

人が近づかない安全な場所が良い
趣味で飼育する場合、最も大事なのは安全性と近所迷惑防止です。家族以外があまり近づかない場所に巣箱を設置しましょう。
巣箱を開けてハチミツを採る時は、10 メートルは距離を取れることが望ましいです。また、冬は数メートルまで近づいただけで刺されることもあります。
自分の土地や許可を得た土地に設置しますが、巣箱を見た子供が近づいて来るような場所や、地域住民の通り道に面している場所などは思わぬ事故やトラブルの原因となります。
盗難を防ぐため、人目につかない場所に設置する
また、人目につかないことも重要です。実は、巣箱やミツバチが盗難されることは珍しくないためです。
実は、各地でニホンミツバチの盗難事件が起こっています。最近では報道されることも多くなりました。2020年には面識がない家からニホンミツバチを盗んだ男が逮捕されました。また、ニホンミツバチを飼育している高校の敷地内から巣箱が盗まれる事件も発生しています。
巣箱自体は盗まれなくても、「勝手にハチミツを盗られていた」、「巣箱に取り付けていた待ち箱ルアー を盗られた」などの被害の報告もあります。
安全を確保するため自分以外が近づかない畑に設置しても、道路からよく見える場所はよくありません。過去の事件では残念ながら同じニホンミツバチの愛好家が逮捕されています。
私たちは民家の裏庭などに巣箱を設置させてもらっていますが、道路から簡単に見えない場所を選んでいます。これは安全対策だけでなく、盗難対策も兼ねています。
幸い盗難の被害はありませんが、盗難の準備をしているところを見つけたことや、巣箱にいたずらをされたことはあります。道路から見える場所では不特定多数の目に触れるため、特に注意が必要です。
熊は最も厄介な天敵
ニホンミツバチを飼育できるような地域では、熊が生息している場合が多いです。弊社が活動している京都府の北部では日中の目撃は稀ですが、熊が夜間に人里へ降りてきて庭の柿を食べるなどの被害が頻繁にあります。
このような地域では、ニホンミツバチのハチミツが貯まるとかなり高い割合で熊に襲撃されます。このため、電気柵で囲う対策が必要です。
電気柵は費用がかかるので、熊の心配が少ない場所に設置するのがおすすめです。熊対策については次のページで紹介しています。
熊対策
熊(クマ)は養蜂家の大敵。巣箱を破壊しハチミツと蜂の子を奪います。電気柵による対策や、被害が出やすい時期と場所について解説。

暑さ対策が最重要
近年、酷暑が問題となっており、ニホンミツバチの飼育において暑さ対策が最も重要となっています。巣箱は日陰に設置することが望ましいです。
日が当たる場所に設置することもありますが、十分に遮光します。また、舗装されていない草地で、建物の壁の照り返しなどの影響を受けない場所が良いです。
ニホンミツバチは日本の多湿の気候には適応しているため、湿度は心配しなくても良いです。他には、巣箱の正面にスペースがあり、強い風が当たらない場所を選んでください。
上記のような点を考慮すると、家の裏庭や、軒下が適しています。
1 箇所で多くの群れは飼育できない
複数のニホンミツバチの群れを同じ場所で飼育する場合、巣箱の間隔は1メートルもあれば十分です。ちゃんと自分の巣箱に入っていきます。
しかし、別の問題があります。それは群れの過密です。一箇所にたくさんの巣箱を設置すると、同じ範囲の花の蜜を集めるので、1 群れあたりの花の蜜が足りなくなり餌不足になります。
餌不足になるとハチミツもたまりませんし、群れが調子を崩しやすくなります。また、群れが別の場所に逃げ出すこともあります。
ニホンミツバチを重箱式巣箱で飼育する場合、人間ができることは限られています。最も大事と言えるのが、蜜源の状況に合わせて、ニホンミツバチの群れを適切な密度で設置することです。
たくさんの群れを飼育するには、分散した多くの飼育場所が必要となります。
このサイトのニホンミツバチの捕獲のページでも、多くの場所を確保する重要性を解説しています。
ニホンミツバチは、自然任せ、蜂任せの方法で飼育するため、人間ができる世話には限界があります。飼
育技術を高めるというよりも、多くの場所にミツバチが快適に暮らせる巣箱を設置していくことが、群れを増やしたり、蜂蜜の収量を上げるために重要です。
たくさん巣箱を用意する
ニホンミツバチの捕獲率を上げるには巣箱を5個以上用意し、分散配置するのがコツ。1箱だけでは望みが薄いので、 友人・親戚の土地も活用しましょう。















