養蜂というと、ミツバチをうまく手懐けて、ハチミツを集める仕事というイメージが強いかもしれません。
確かに、ハチミツはミツバチが与えてくれる大きな恩恵です。ニホンミツバチのハチミツはほとんど出回っておらず「幻のハチミツ」と呼ばれるほど貴重です。
さらに、ニホンミツバチの飼育を通して、やりがいや癒しなど様々なものを得ることができます。
幻と呼ばれる貴重なハチミツを収穫できる
ニホンミツバチのハチミツは大変貴重です。平成 30 年のハチミツの自給率は、わずか 6%です。(農林水産省資料より)
国産ハチミツは貴重ですが、国産ハチミツもほぼ全てが外来種のセイヨウミツバチのハチミツです。
ニホンミツバチのハチミツは、生産量の統計すらなく、実際にどのくらい生産されているかもわかりません。
スーパーなどで売られている蜂蜜はもちろんセイヨウミツバチのものです。世界各国のハチミツを取り揃えたハチミツ専門店でも、ニホンミツバチの蜂蜜を見つけることは難しいです。
ニホンミツバチのハチミツの多くが自分で食べたり、親戚や知り合いにプレゼントされて消費されていると考えられます。たまに道の駅で見かけることもあります。
独特の深い味わいから人気も高く、希少性から 1g あたり 10 円から 50 円程度の高値で販売されていることが多いです。セイヨウミツバチの国産蜂蜜よりも何倍も高い値段です。
ニホンミツバチを飼育すると、こんな希少なハチミツが手に入るのは嬉しいですね。
ニホンミツバチはペットのような存在
多くの人にとって、ミツバチは単にハチミツの生産のための家畜です。「刺すから怖いけど、ハチミツはおいしい」というのが正直な意見だと思います。また、授粉用に使用されるセイヨウミツバチは、道具のように扱われることも珍しくないと聞きます。
しかし、私たちにとってニホンミツバチはペットです。犬や猫のように心に安らぎを与えてくれます。なつくことはありませんが、寒い日も暑い日も懸命に働く姿を見ていると癒されます。毎日ニホンミツバチの出入りを眺める方も珍しくありません。
ミツバチというと「刺す」というイメージが強いかもしれませんが、ニホンミツバチはとてもおとなしい性格です。冬を除けば、観察のために巣箱に近づいても威嚇したり刺したりすることは稀です。安心して眺められるからこそ、ペットのような愛着が湧いてくるのです。
自然を身近に感じられるようになる
ミツバチを飼い始めると、今まで気にしなかった自然の変化に目が向くようになります。
「今日は何の花が咲いているだろう」「明日は雨だからミツバチは巣箱で休むかな」。天気や季節の移ろいが、急に自分ごとになるのです。
デジタルに囲まれた現代だからこそ、養蜂を通じた自然とのふれあいは貴重な時間になります。これは養蜂ならではの魅力です。
養蜂で輪がどんどん広がる
まず、ハチミツを差し上げることで親せきや知人との結びつきがより強くなります。ニホンミツバチから採れるハチミツの量が少ないと言っても、自家消費には多すぎます。友人や親戚にハチミツをプレゼントすることで、輪が広がっていきます。
また、自分もやりたいので巣箱を置いて欲しい、飼い方を教えて欲しいという人が出てきます。他には、神社やお墓、民家等にニホンミツバチの巣ができて困っている人から連絡があります。時には人づてに連絡が来ることもあり、このような繋がりが思わぬ出会いを生みます。
ハチミツの生産が増えてくれば、ふるさと納税の返礼品として選ばれたり、地元の菓子店などと新商品の開発に繋がることもあります。
週末養蜂で地域の農業に貢献
ミツバチが人間にもたらす恩恵は、ハチミツよりも花粉媒介の方が圧倒的に大きいと言われています。これが、ミツバチ不足が世界的に深刻な問題になっている理由の一つです。多くの作物がミツバチに受粉を頼っています。このことは最近では広く知られるようになりました。
ニホンミツバチの行動範囲は巣箱から 2km 以内ですから、自分の畑や庭だけではなく、地域全体に貢献できます。巣箱を設置すると、「果樹の実りがよくなった」とお礼を言われることもよくあります。地域の農業にも貢献できることは、素晴らしいことです。
手間をかけずに楽しめる趣味
週末養蜂のもうひとつの魅力は、手間がほとんどかからないことです。毎日エサをあげたり、温度を管理したりする必要はありません。
ニホンミツバチの飼育は、よく「大家さん」にたとえられます。快適な家(巣箱)を提供し、ミツバチたちに自由に暮らしてもらう。そして秋になると、家賃代わりにハチミツを少しだけいただく。それだけなのです。
ミツバチたちは勝手に花を見つけ、勝手に蜜を集め、勝手に子育てをします。飼育者がやることは、時々巣箱の様子を見守ることくらい。だからこそ「週末だけ」の養蜂が可能なのです。
もっと言えば、週末の世話すら必要ありません。「週末養蜂」という名前は、弊社の現会長(YouTube「週末養蜂チャンネル」では師匠として登場)が、仕事が休みの週末だけで 50 群れ近くを飼育していたことに由来します。1 つの群れだけを飼育するなら、ほとんど世話は必要ありません。
何年も没頭できる趣味ができる
ニホンミツバチの飼育では、巣箱を作って群れを捕獲するところから自分で行います。
セイヨウミツバチの輸入によって養蜂家に見捨てられたため、ニホンミツバチの飼育方法がまだ十分には確立されていません。
その分、試行錯誤の余地が多く残っています。自分で色々と試行錯誤しながら進めなければなりません。何年も、何十年も没頭できる奥の深さがあります。
ミツバチを見て、あれこれ考えたり、想像を膨らませたりする楽しさがあります、自分の考案した器具を交流サイトで紹介する人もいます。
養蜂のよくある誤解
養蜂に興味があっても、「自分には無理だろう」と諦めてしまう方が多いようです。しかし、多くの心配は誤解に基づいています。
「広い土地がないとできない」 — 実際には、巣箱 1 つ分のスペースがあれば始められます。庭の片隅や畑の隅で飼育している人もたくさんいます。
「お金がかかりそう」 — ニホンミツバチの飼育は、最低限の道具と巣箱があれば始められます。巣箱は自作もでき、初期費用を数万円程度に抑えることも可能です。
「近くに花畑が必要」 — ミツバチは巣箱から 2km 圏内を飛び回ります。田んぼの畔の雑草や山の樹々からも蜜を集めてくるので、普通の田園風景の方がむしろ適しています。
趣味の一つとして養蜂を楽しもう
ニホンミツバチの飼育で得られるのは「幻のハチミツ」だけではありません。他にも様々なものを得ることができるので、人生がより豊かになります。
ハチミツを売って収益を得ることを目的とするのではなく、個人の趣味の 1 つとしてニホンミツバチの飼育を取り入れ、ハチミツだけでなく多くのものを得ること、これが弊社の提案する週末養蜂のコンセプトです。
このサイトを訪れた方に実現してほしいのも、趣味でニホンミツバチを飼育することで、心身ともに充実した豊かな暮らしを手に入れることです。お金が儲かるに越したことはありませんが、それならニホンミツバチ以外に良い方法がたくさんあります。
次のページでニホンミツバチの飼育の始め方を紹介しています。
飼育を始めたい方へ
ニホンミツバチの飼育を始めたい方のために、どのように、いつ準備すれば良いのかや、必要な準備物などを紹介します。週末養蜂家になりたい方はまずはこの記事を読んでください。















