セイヨウミツバチとニホンミツバチの違い
日本には、ニホンミツバチの他にも、明治時代に日本に輸入されたセイヨウミツバチがいます。養蜂というと、セイヨウミツバチの養蜂のイメージが強い人も多いですが、生態や飼育方法には違いがあるので注意が必要です。
セイヨウミツバチは外来種、ニホンミツバチは在来種
日本には、在来種のニホンミツバチが生息しています。
セイヨウミツバチは、アフリカやヨーロッパを起源とするミツバチで、たくさんハチミツが採取できて、攻撃性も低い、飼育もしやすいように、家畜として改良が行われてきました。
優れた飼育技術、巣箱と共に世界中に輸出されています。例えば、オーストラリアは養蜂大国として有名ですが、もともとミツバチは生息していなかったようです。日本にも明治時代に輸入されています。
セイヨウミツバチといってもたくさんの種類があります。日本で主に飼育されているのは、腰のあたりが黄色っぽい、イタリアンという種類です。日本の気候に合っているため導入がされたようです。
詳しくは、日本養蜂協会のホームページで紹介されています。
ミツバチの種類セイヨウミツバチは家畜、ニホンミツバチは野生種
セイヨウミツバチは野生化していません。人間の管理下になければ生きていけない、家畜です。
日本には強力なオオスズメバチがいるためです。オオスズメバチはミツバチの巣箱に侵入し、ミツバチを皆殺しにして幼虫やハチミツを奪います。
在来種のニホンミツバチはオオスズメバチと長い間共存しており、集団戦法を用いた対抗策を持っているのですが、セイヨウミツバチは故郷にこのような凶悪なスズメバチがいないため、1対1で戦いを挑み、全滅してしまうのです。
また、セイヨウミツバチはダニにも弱く、ダニ対策の薬の使用が避けられません。
一方、ニホンミツバチを最近飼育するのがブームになっていますが、飼育されているよりもはるかに多い群れが自然界に生息していると考えるのが自然です。
セイヨウミツバチとニホンミツバチの飼育は別物
ニホンミツバチはほとんど放任のような形でも養蜂が可能ですが、セイヨウミツバチは飼育には高い技術が必要です。
これは、両者の性質の違いもありますし、ニホンミツバチは江戸時代以前から行われているのと大差ない伝統的なスタイルでの飼育が多い一方、セイヨウミツバチは近代的な巣箱を使っているという飼育方法の違いも大きいです。
このため、セイヨウミツバチが飼育できたら、ニホンミツバチも飼育できるわけではありません。もちろん、セイヨウミツバチの飼育者であれば、ニホンミツバチの飼育の習得は早いですが、セイヨウミツバチの飼育では群れを購入してくるのに対して、ニホンミツバチは野生の群れを捕獲することや、ニホンミツバチとセイヨウミツバチで性質に違いがあるなどの違いがあります。
プロポリスを集めるのはセイヨウミツバチだけ
プロポリスは、ミツバチが木の芽や樹液などから集めた樹脂状のもので、蜂ヤニとも言われます。
しかし、ニホンミツバチはプロポリスは集めません。プロポリスを集めるのはセイヨウミツバチです。
プロポリスを集めるかどうかも、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの違いの1つです。
ニホンミツバチを飼育してもプロポリスは採取できませんので注意してください。
セイヨウミツバチが増えるとニホンミツバチは減少する
セイヨウミツバチが飼育されている地域ではニホンミツバチが追いやられると考えられます。
幸いなことに、セイヨウミツバチは野生化できないため、ニホンミツバチの生存域を日本中で脅かすほどではないと思われます。
以前は、セイヨウミツバチの養蜂家も多く、そのためニホンミツバチは人間が住む地域では減っていたそうです。
確かに、人の住む地域で、セイヨウミツバチが高い密度で飼育されると、ニホンミツバチは餌となる花の蜜や花粉を彼らと奪い合うことになるため、数が減ってしまうでしょう。
皮肉なことに、日本でのセイヨウミツバチの養蜂が衰退したことで、ニホンミツバチが増加したと考えられています。
ニホンミツバチとセイヨウミツバチは交雑する?
ニホンミツバチとセイヨウミツバチが交尾することはありますが、卵から成虫に育つことはないそうです。
ニホンミツバチとセイヨウミツバチは交尾の時間が異なるため、交雑はしないと言われていましたが、最近の研究によるとそうではないようです。
ニホンミツバチとセイヨウミツバチが交雑することはありますが、ハーフのミツバチは幼虫の段階で死んでしまうようです。
幸いなことに、ニホンミツバチとセイヨウミツバチが交雑した種は存在していません。
逃げ出したセイヨウミツバチを捕獲できることもある
分蜂が入居して喜んでいると、実はそれはニホンミツバチではなく、セイヨウミツバチだったということがあります。
セイヨウミツバチは、野生に生息していませんし、人間に管理下のあるセイヨウミツバチは自由に分蜂しないように管理されています。分蜂してしまうのは、養蜂家さんが点検の時に王台を見逃していた場合です。
また、ハウスでの受粉用の群れが逃げ出して、ニホンミツバチ用の待ち箱に入ることもあります。
日本に生息しているセイヨウミツバチは、腰の周りが黄色っぽい種類が多いです。黄色っぽいミツバチだなと思ったら、セイヨウミツバチの可能性があります。ミツバチのQ&Aで写真を添付して質問してみてください。
重箱式巣箱で、セイヨウミツバチをそのまま飼育するのは考えものです。セイヨウミツバチは、ミツバチヘギイタダニやふそ病などの問題があり、適切な予防策を行う必要があります。
自分の群れで発生したダニや病気が、地域の他の養蜂家さんの群れに移ってしまうと大変です。
セイヨウミツバチが捕獲できても、そのまま飼育せずに、他の養蜂家や、行政に相談してください。
ニホンミツバチを飼育してみましょう
ニホンミツバチは、セイヨウミツバチよりも採れるハチミツの量は劣りますが、野生のミツバチなので日本の気候、外敵に適応しています。
このため飼育にはほとんど手間がかからず、養蜂の知識が少なくても飼育できるというメリットがあります。
ニホンミツバチの飼育は最近静かなブームとなってきています。このホームページでは、ニホンミツバチの飼育方法について詳しく紹介しています。
ニホンミツバチを飼育してみたいという方は、ぜひ次のページをお読みください。
ニホンミツバチの飼育を始めたい方のために、どのように、いつ準備すれば良いのかや、必要な準備物などを紹介します。週末養蜂家になりたい方はまずはこの記事を読んでください。
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