キンリョウヘン(金稜辺)が開花しない、花芽がない時の対処方法
ニホンミツバチの捕獲に効果があり、愛好家の間で広く使われているキンリョウヘン。しかし栽培はそう簡単ではありません。花芽がつかないこともあります。花芽がないともちろん花が咲かず、ニホンミツバチの誘引には使えません。
意外と早い、花芽の出現時期
キンリョウヘンを育てたことのない方の中には、咲く直前の春先になると花芽ができ、成長すると思っている方もいます
これは間違いです。実は、10月、11月にかけてバルブの付け根に花芽は確認できます。この時はまだ小さいので、隠れて見えないこともありますが、2月にはほとんどの場合分かるようになります。
次の写真は12月上旬のキンリョウヘンの根元部分の拡大写真です。まだ1cmかそれに満たない程度の、淡い紫色の花芽ができています。
キンリョウヘンは咲く半年前には花芽ができているのです。春に花が咲いてニホンミツバチの誘引に使えるかどうかは、花芽の有無により、早い段階で知ることができます。
翌年に何本の花芽がニホンミツバチの誘引に利用できるかがわかるので、用意する巣箱の数と合わせて考えることで計画が立てられます
2月頃になってこんな質問をしてくる方も多いです。
残念ですが、2月に花芽が見当たらないキンリョウヘンは、春の分蜂時期には花が咲きません。キンリョウヘンの花芽ができているか、早い時期から確認しておくようにしましょう。
花芽がないキンリョウヘンは分蜂捕獲に利用できません。キンリョウヘンがないと捕獲には、大きなハンデになります。キンリョウヘンの誘引成分を化学的に合成した製品、待ち箱ルアーがあるので、これを使うようにしましょう。
キンリョウヘンの誘引成分を分析し、化学的に合成された誘引剤です。巣箱に取り付けて、ニホンミツバチの分蜂群れの誘引を行います。
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花芽がつかないこともある
花芽がつかないのは、特に珍しい話ではありません。キンリョウヘンの栽培についてのアンケートをとると花が咲かない、花芽が付かないという声が多くなります。
花芽がつかないのは株がまだ小さく成長途中であったり、肥料の与え方などの普段の栽培方法に問題があるためです。
キンリョウヘンが必ず花芽をつけ、毎年花を咲かせるとは限らないことが分かっていただけたと思います。
株がある一定以上の大きさであれば、正しく育てると花芽をつけます。株が小さい場合はそこから正しく育てても翌年に花が咲かない場合もあります。
キンリョウヘンを購入する時には、「開花見込み」や、「花芽付き」と記載されているものを選んでください。安くてラッキーと思って買った株は、実は開花の見込みが次の春にはなく、お金を無駄にしてしまうということも十分にあり得ます。
特に、オークションサイトでは注意が必要です。個人間のやりとりになるため、「写真で判断してください」のように書かれてあり、花芽や開花見込みについて説明がないものも多いです。
なるべくサポートが受けられるように園芸店で購入するようにしましょう。
花芽がない場合には待ち箱ルアーを使おう
キンリョウヘンが花芽がつかない場合や花が咲かない場合は、分蜂時期に入る前から待ち箱ルアーを用意しておきましょう。
待ち箱ルアーはキンリョウヘンの誘引成分を化学的に合成した製品です。キンリョウヘンと同等の誘引力が45日間続きます。
使い方はすごく簡単です。封を開けてカバーを外し、巣箱に取り付けるだけです。
次の写真は、待ち箱ルアーを取り付けた巣箱にニホンミツバチが誘引されている様子です。中央の白いネットに入った丸いものが待ち箱ルアーです。
待ち箱ルアーは2014年に発売され、毎年数千人以上の養蜂家が利用しています。それ以前は、キンリョウヘンがうまく栽培できないと、分蜂群れの捕獲が難しくなってしまうため、キンリョウヘンの栽培の失敗が分蜂群れの捕獲の失敗の大きな原因となりました。これは大変もったいないです。
2月には花芽の有無でキンリョウヘンが開花するかがよく分かります。この段階で花芽がないなら、待ち箱ルアーを準備しましょう。
また、分蜂時期の直前になって、キンリョウヘンの開花時期が合わない場合も、待ち箱ルアーを補足的に使うことができます。
待ち箱ルアーがあれば、キンリョウヘンの栽培失敗で悔しい思いをすることはありません。待ち箱ルアーについて詳しくは、次のページをお読みください。
キンリョウヘンの誘引成分を分析し、化学的に合成された誘引剤です。巣箱に取り付けて、ニホンミツバチの分蜂群れの誘引を行います。
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