日本蜜蜂(ニホンミツバチ)とは?捕獲方法、巣箱制作、採蜜方法
日本蜜蜂を飼育するには、日本蜜蜂の生態について最低限の知識が必要です。巣箱製作や、蜂蜜の販売などの情報も紹介しています。
日本蜜蜂は在来種、野生の蜜蜂
日本蜜蜂は、日本に昔から生息する在来種のミツバチです(注1)。木の洞(うろ)などの閉鎖的な空間に巣を作って生活しています。
つまり日本蜜蜂は、野生のミツバチなのです。誰かに飼われているのではなく、木の中などの空間を探して巣を作り、ハチミツを貯めているのです。
他にも、民家の屋根裏、床下、擁壁の中にできた空洞など、狭い入り口と閉鎖空間に巣を作ります。
次の動画では、石垣の中、木の中、お墓の中にできた野生の巣を紹介しています。
上記の動画で少し出てきた、木の中にできた日本蜜蜂の巣の様子を、エンドスコープ(ファイバースコープ)を使って覗いた動画はこちらです。
注1. 日本蜜蜂は、朝鮮半島のトウヨウミツバチと遺伝的にほぼ同じこと、日本国内の地域による遺伝的な差が小さいことが研究からわかっています。また過去の文献などから、朝鮮半島から人間によって持ち込まれたとも推測できる記述があるため、朝鮮半島から持ち込まれて広がったという説もあります。
日本蜜蜂は、日本の大部分に生息している
日本蜜蜂は野生のミツバチとして、北海道、沖縄、一部の離島を除き、日本中に生息しています。
ネット上の愛好家の投稿等の情報をみていると日本蜜蜂が生息する離島も多いようです。
代表的な離島だと、奄美大島、屋久島、種子島、隠岐島、屋代島(周防大島)、小豆島などは生息しているようです。
ニホンミツバチの最南端は奄美群島、最北端は青森県は言われており、南から北まで大きく異なる気候の中で生活しています。
東北の山間部の豪雪地帯でも生息しており、寒さに強いと言えます。
日本蜜蜂は都市部にも生息している
日本蜜蜂は山の中に住んでいると思われるかもしれませんが、都市部にも生息しています。
日本蜜蜂は、住宅やお墓にもよく巣を作るため、ハチ駆除業者によって殺されてしまうことも多いようです。
東京の新宿御苑、大阪の大阪城の敷地内など、都会のど真ん中でも日本蜜蜂の自然巣が見つかっています。
ニホンミツバチは絶滅危惧種と言われることがありますが、意外と身近な存在です。
例えばホタルが山奥や清流などの一部の場所でしか見ることができないのに対し、ニホンミツバチは比較的どこにでもいる存在と言えます。
日本蜜蜂は比較的大人しい
ハチは刺すというイメージが強いですが、日本蜜蜂は比較的大人しく、多くの場合は巣に少し近づいたくらいでは刺されることはありません。
暖かい季節で健康な群れであれば大丈夫です。 冬は攻撃的になります。
日本蜜蜂は一度刺すと死んでしまうので、むやみに人間を攻撃する理由はありません。
毎日巣箱を見に行って、頑張って働いている日本蜜蜂を見て元気をもらうという飼育者も多いです。
群れの性質や状態によりますが暖かい時期であれば、巣の入り口にいる日本ミツバチを指でつついても大丈夫です。(絶対に真似しないでください)
日本蜜蜂は受粉で大活躍
イチゴなどの野菜・果樹の多くがミツバチなどの昆虫の助けなしには実をつけることができません。
ハウス栽培のイチゴなどの、農業における受粉には、外来種のセイヨウミツバチが使われますが、野生の日本蜜蜂も様々な場面で活躍しています。
野山の樹々、草花や、家庭菜園で栽培されている野菜など、知らないうちに日本蜜蜂が受粉に貢献しているのです。
農薬によるミツバチの減少が問題となっています。飼育されている日本蜜蜂なら、事前に動かすなどの対策も取れますし、被害が発生した時も人間が発見することができます。
しかし、日本蜜蜂の大部分は野生で、木の洞などに巣を作っており、逃げることができません。
野生の日本蜜蜂が減少すると、庭の梅の木に実がならなくなったり、家庭菜園のナス・かぼちゃがならなくなったりと、その影響は自分たちに返ってきます。
ハチミツは幻と言われるほど貴重で高級
ニホンミツバチのハチミツの値段はセイヨウミツバチのハチミツのおよそ3倍です。
国産のハチミツは高価ですが、日本ミツバチのハチミつは特に高価です。
一般的に1gあたり10円以上で販売されており、高いものになると1g50円のものもあります
ニホンミツバチのハチミツの高価なのは、セイヨウミツバチと比べるとハチミツが採れないためです。
セイヨウミツバチは1群から年間50kg程ハチミツが採れますが、ニホンミツバチは1群から5kg〜10kg程しか採れません。(群れの状態や環境によっても異なります)
また、ニホンミツバチを飼育しているのは、趣味の飼育者がほとんどです。
採れたハチミツは、知人や親戚などの贈答用途がメインで、販売される場合も地域の直売所などで細々と行われることが多いです。
ニホンミツバチのハチミツを大規模に製造する養蜂家や企業については聞いたことがありません。
このため、ニホンミツバチのハチミツは市場への流通量が極端に少なく、ハチミツ専門店でも扱っていることは稀です。希少価値が高いために値段も高価となっているのです。
日本蜜蜂を趣味で飼育する人が増加中
90年代まではニホンミツバチの飼育はほとんど知られていませんでした。
2000年代に入り、田舎暮らし系のテレビ番組で飼育が紹介されたこと、書籍が相次いで出版されたこと、インターネットで飼育方法が広く知られるようになり、都市部に近い郊外でもニホンミツバチの愛好グループが誕生するなど、人気が急速に高まっています。
明治時代にセイヨウミツバチが輸入されたため、商業的な養蜂はすべてセイヨウミツバチで行われていました。90年代までは、ニホンミツバチについての書籍もほとんどなかったようです。
対馬や長野県南部、宮崎の椎葉村などで、ニホンミツバチの飼育が伝統的に行われて来た地域で細々と行われてきました。
このような状況が変わり始めたのが2000年前後です。日本ミツバチ―在来種養蜂の実際 (新特産シリーズ) と、ニホンミツバチの飼育法と生態という書籍が2000年に出版され、ニホンミツバチの体系的な知識を書籍で得られるようになりました。
鉄腕ダッシュのダッシュ村や、金スマの一人農業のコーナーでニホンミツバチが飼育されたことで、ニホンミツバチという存在が広く知られるようになりました。また、最近ではインターネットで情報を得ることが可能となりました。
また、日本蜜蜂を飼育すること自体は、養蜂振興法に基づいて簡単な届出を出せば問題なく、免許などの取得は必要ありません。(都道府県によっては条例によって蜜蜂の飼育条件を定めていますのでご確認ください。)日本蜜蜂の飼育の障壁は意外にも低いのです。
このような理由から、日本蜜蜂の飼育者が急増しています。
日本蜜蜂の飼育を始めてみませんか?
最近ではシニア層を中心に日本蜜蜂の飼育の人気が高まっています。
日本蜜蜂の飼育を始めてみませんか?
このホームページでは日本蜜蜂の飼育方法を詳しく解説しています。
ニホンミツバチの飼育を始めたい方のために、どのように、いつ準備すれば良いのかや、必要な準備物などを紹介します。週末養蜂家になりたい方はまずはこの記事を読んでください。
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