ニホンミツバチの重箱式巣箱の作り方 捕獲できたら屋根や台を追加しよう
捕獲時には待ち箱と呼ばれる最小限の構成の巣箱を使います。ニホンミツバチの入居後には専用の屋根や台を用意して、快適に暮らしてもらいましょう
入居後に巣箱をアップグレード
シンプルな構成の待ち箱で捕獲した後、高機能な屋根や台に交換してあげましょう。
「なぜ最初から用意しておかないの?」と思ったかもしれません。
待ち箱にニホンミツバチが入居する確率はだいたい数割くらいです。
最初から作っておいても、たくさん余ってしまいます。
最初はシンプルな待ち箱作りに集中して、入居したものから屋根や台を交換するのが合理的です。
なお、待ち箱の作り方は別のページでご紹介しています。
研究機関にも納品実績のある重箱式巣箱の作り方を紹介します。まず捕獲に必要な最小構成の巣箱の作り方を紹介します。待ち箱をたくさん設定してニホンミツバチを捕獲しましょう。
このページで紹介している台や屋根がついた巣箱のセットも販売しています。(日除け板は付属していません)
(株)週末養蜂で使用している重箱式巣箱です。4段の重箱式巣箱なので、捕獲から採蜜まで行えます。
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鉄製台
重箱式巣箱は巣箱の下に巣門(すもん)と呼ばれる出入り口があります。
巣門が地面と同じ高さにあると、すぐに草で覆われてしまいますし、雨水が入りやすいなどの問題があります。
そこで、巣箱を台の上に載せて、巣門を地面から数十cm高い位置にします。
京都ニホンミツバチ週末養蜂の会の台の材質は鉄で、コンクリートブロックを重りとして使用できるようになっています。
箱の上にオモリを乗せている巣箱の写真を目にします。しかし、箱の上にオモリを乗せると、重心が高くなり、強風で倒れやすくなります。
台にオモリを乗せて、ロープで巣箱を固定するほうがよいと思います。
ビール瓶のケースなどを台にする人も多くいます。私たちは自作の鉄製台を使っていますが、鉄製台の準備が間に合わなかったときなどはコンクリートブロックを台として使用しています。ビール瓶のケースやコンクリートブロックを台に使っても問題ありません。私たちが鉄製台を使うのは、機能性を重視するからです。
台の役割は安定性を確保するだけではありません。巣箱の中の様子を点検しやすくするためにもこのような台を使います。鉄製台の細かい部分は次の動画で確認してください。
特徴1 暑さに強い
京都ニホンミツバチ週末養蜂の会の長年の経験から、巣箱の中が高温・多湿になることが望ましくないということが分かってきました。
特に、2010年の猛暑では、多数の群れが暑さが原因で逃亡しました。新型鉄製台は、四方から出入りできるので換気に優れており、暑さに強いです。
特徴2 オオスズメバチに強い
巣門(巣箱の入り口)の高さはもちろんオオスズメバチが入れない高さです。しかし、巣門が1カ所だけだと、オオスズメバチが巣門の前に集合し、ニホンミツバチが出入りができなくなります。オオスズメバチは巣門をかじり、なんとか巣箱の中に入ろうとします。
このような強いストレスにさらされると、ニホンミツバチが逃亡してしまうこともあります。新型鉄製台には巣門が四方にあるので、オオスズメバチが巣門に集まっても、ニホンミツバチはオオスズメバチのいないところから出入りできます。
また、オオスズメバチが巣門をかじるとき、主に上側をかじるのですが、新型鉄製台は巣門の上側が鉄なのでオオスズメバチはかじれません。オオスズメバチはそのうちあきらめて巣に戻っていきます。
特徴3 スムシに強い
ニホンミツバチにとって、巣をエサとする蛾の幼虫のスムシは天敵です。
重箱式巣箱では、スムシの発生を防ぐため、底板の上に貯まった巣カスの掃除が必要になることがあります。新型鉄製台は、底板の上の風通しがよく、巣カスが貯まらないので掃除は不要です。
鉄製台は販売も行なっています。
重箱式巣箱用の新型の鉄製台です。ニホンミツバチの失敗例の大部分を占める、暑さ、オオスズメバチに強い台です。
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屋根
雨を避けて巣箱の腐食を抑えるために、最上段の上に屋根を乗せます。
トタンの波板を乗せて屋根にする人も多く、それでも特に問題はありませんが、私たちは機能性を追求し、次のような屋根を使用しています。
作り方を説明します。まず、最上段にぴったり合う大きさで、木の枠を作ります。次に、トタン板(平板)を曲げて、木の枠に釘で打ち付けます。耐久性が優れているのでトタン板を使用していますが、2枚の木板を組み合わせて屋根を作っても問題ありません。
釘の部分から雨漏りするので、シリコンで隙間を埋めます。シリコンは一般的に水回りに使用されているものを使用しています。
日除け板
直射日光によって内部が暑くならないように、夏は巣箱に板を張り付けます。ニホンミツバチは巣の内部が高温になると逃げだすことも多いので、ぜひ取り付けてください。