Q東京や大阪の都市部でもニホンミツバチは養蜂できますか?更新日: 2021年05月17日
東京の状況
ニホンミツバチの生息域は、鹿児島県から青森県までで、東京も含まれています。(南部の離島についてはわかりません)
また、ニホンミツバチは都市部でも生息しています。東京の新宿御苑や皇居周辺で野生のニホンミツバチの巣や分蜂が見つかることあります。
鉄腕ダッシュのコーナー、「新宿ダッシュ」でも、ニホンミツバチを呼び寄せようという企画がありました。
ただし、野生に生息しているからといって、飼育できるかというとそうではありません。
郊外の広い土地であれば養蜂は可能ですが、集合住宅のベランダや住宅密集地域での養蜂は近所迷惑となるので、絶対にやめましょう。
近所から最も多い苦情は、刺されそうで「怖い」というものです。ミツバチであってもアレルギーを持つ方は、刺された場合に死に至ることもあります。
また、ミツバチの糞が洗濯物や車、家の壁を汚す被害が出ることが多くあります。
他にも春になると何千〜何万匹もの分蜂群が飛び回るため、通行人などに恐怖感を与えてしまい、騒動になります。
2019年には、恵比寿で逃げ出したセイヨウミツバチが夜のニュースで取り上げられるほどの話題になりました。 ( 参考: 恵比寿でミツバチ大量発生、家畜の可能性が濃厚 )
東京ではミツバチのトラブルが警察が出動したりニュースに取り上げられるような大事件になることもあります。
東京ではニホンミツバチ、セイヨウミツバチの養蜂の事例は多くあります。銀座のようなミツバチプロジェクトも各地にありますし、安倍昭恵夫人が首相官邸でニホンミツバチの飼育を行ったこともニュースになりました。( 参考:昭恵夫人が公邸中庭にミツバチの巣箱設置 秋には蜂蜜収穫|産経新聞)
このようなプロジェクトでは、専門家の指導のもと安全に注意を払っています。初心者が行うことはおすすめできません。
大阪は条例が厳しく、養蜂はなかなか難しい
日本一緑が少ない街と言われる大阪にもニホンミツバチは生息しており、大阪城にニホンミツバチの自然巣が見つかったこともありました。
しかし、大阪府では養蜂について厳しい条例を制定しており、大阪のほとんどの場所では、庭先養蜂、都市養蜂を行うことは難しいでしょう。
遵守事項として一つ目に、「巣箱は、住宅、学校、工場、道路、公園その他人が常時出入りし、通行し、又は集合する場所から20メートル以上離れた場所に置くこと。」とあります。 (参考: 大阪府での蜜蜂の飼育について )
都市部では「住宅」から離れた場所に巣箱を設置するのはほぼ不可能なので、大阪の都市部での養蜂は厳しい状況です。郊外の田畑などに巣箱を設置して飼育するしかありません。
どうしても飼育したい人は土地を借りてください。養蜂には広い土地が必要なイメージがありますが、巣箱をおくための畳一枚分くらいのスペースがあれば飼育できます。
郊外や山間部などで畑の隅に巣箱を置かせてもらないか相談してみてください。
マンションや住宅街などで養蜂を行うことは近所迷惑となるリスクが大きいのですが、大阪では罰則が課せられることもあるので注意が必要です。
この条例を守らずにこっそり飼育している人も多くいるようですが、きちんとルールを守って飼育するようにしてください。