採れたハチミツはろ過してゴミを取り除いたのち、容器に入れて保存します。自家製の天然ハチミツは、正しく管理しないと、市販品のように常温保存できない場合があります。また、結晶化もします。正しい保存知識を学んでください。
このページの内容を動画にしています。ハチミツの色の違い、結晶、発酵などのよくある疑問についてまとめていますので、ぜひ動画でお楽しみください。
ハチミツが発酵するとは?
ハチミツが発酵するということは、あまり知られていません。また、市販のハチミツは、まず発酵することはありません。このため、発酵についての質問もたくさん寄せられます。ここでいうハチミツの発酵というのは、アルコール発酵のことです。
自然界に存在する酵母によって、ハチミツの糖がアルコールに変換されます。そのとき、二酸化炭素が発生するため、細かい泡が出てきます。
発酵すると泡が出て、甘酸っぱい香りがするよ
ハチミツが発酵しても食べることはできますし、その風味を好む人も多いです。冷蔵庫で保存しておけば発酵の進行を抑えられます。
ハチミツの量が少なく、販売しない場合はこれで十分でしょう。
発酵の原因は糖度不足
ハチミツの発酵は、ニホンミツバチでは、特に珍しいことではありません。ニホンミツバチのハチミツは、完成した状態でもセイヨウミツバチのハチミツよりも糖度が低いと言われています。
また重箱式巣箱では、最上段を丸ごと分離します。巣房にフタがされていない、糖度が低い未完成のハチミツが多少入っていることがあります。
このような理由から、ハチミツの糖度は低くなりやすく、気温の高い季節に発酵する恐れがあります。
販売するならハチミツの糖度管理が必須
販売を考えている方は、瓶詰めの前にハチミツの糖度を計りましょう。ハチミツを販売する場合は、とても重要な作業です。
デジタル糖度計は便利ですが価格は 1〜5 万円程度するので、自家消費以上にたくさんハチミツが採れて、ハチミツを販売したり、贈答品として使うようになったら、購入するとよいでしょう。
最初から高価な糖度計を買う必要はありません。群れが増えてハチミツの量が増えてきたら検討しましょう
ハチミツ専用の糖度計というものはあるか分かりませんが、少なくともそういったものを買う必要はなく、汎用的な糖度計で、高い糖度を計測できるものをお使いください。具体的には 70 度から 85 度前後の糖度をカバーできるものです。
なお、糖度が低い場合、採取した年には夏に発酵が起こらなくても、冬になり結晶化したものは、翌年に発酵することがあります。採取直後に発酵しなかったからといっても油断はできません。
ハチミツの栄養素を壊さずに糖度を上げる
糖度を上げるには、ハチミツ中の水分量を減らす必要があります。温めてしまえば水分が飛んでいきそうですが、加熱すると栄養素が破壊されてしまうので、これは避けなければなりません。
そこで、最近では乾燥剤を使う方法が広く知られています。密閉容器に、乾燥剤と一緒にビンのフタを開けたハチミツを置きます。条件にもよりますが、糖度を 1 日に 1 度程度上昇させることが可能です。
採蜜量が増えてきたら、押入用の小型電動除湿機を使うと経済的です。
ハチミツが白く固まるのは異常?
ハチミツが白くなった...これって腐ってる?
これはハチミツ本来の特性で、異常ではありません。ハチミツの糖分が結晶化しているものです。肌寒くなってくる季節には、ニホンミツバチのハチミツはほぼ間違いなく結晶化が始まります。
採れたハチミツを後から小瓶に分けようと思っている場合は、結晶化を前提としたスケジュールで瓶詰めを行ってください。
ハチミツの中でも、全体が結晶化するもの、一部だけ結晶化するものがあります。ハチミツの糖分は、果糖とブドウ糖ですが、このうち果糖が多いアカシア蜂蜜などは結晶化しにくいことが知られています。
ニホンミツバチの場合は百花蜜なので、地域や季節等の条件で果糖とブドウ糖の割合が異なります。このため、結晶のしやすさに若干の違いがありますが、弊社で採取したハチミツは全体の半分以上結晶化します。
次の動画では、結晶化したハチミツの様子を紹介しています。白く固まっていく過程がよくわかります。
結晶を溶かす場合は温度に注意
結晶のまま食べる分にも、全く問題はありません。結晶化と聞くとガチガチに固まってしまったような印象を受けると思いますが、スプーンでも十分すくえるほどの柔らかさがあります。
このためトーストに塗って食べる場合は、結晶化している方が垂れることがなく塗りやすいです。
また、日本では結晶のままハチミツを販売することは少ないですが、お客様にきちんと説明すれば納得してもらえます。冬のハチミツとして、あるべき姿が結晶状態であるからです。
結晶を溶かす場合は 40 度から 45 度くらいのお湯で湯煎しましょう。
あまり高い温度で湯煎すると、ハチミツの栄養素が破壊されてしまいます。50 度以上になると酵素への影響が出始めるため、温度計で確認しながら湯煎するのがおすすめです。
次の動画では、結晶化したハチミツを湯煎で溶かす方法を紹介しています。












