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ニホンミツバチの蜜蝋(ミツロウ)の作り方(精製方法)

更新日:2023年12月18日

養蜂では、ハチミツだけでなく、巣の原材料の蜜蝋(ミツロウ)を採取できます。蜜蝋は、ニホンミツバチの誘引に広く使われています。

  • 目次
  • 蜜蝋はニホンミツバチの捕獲に活躍

    ニホンミツバチを捕獲するときには、蜜蝋が必要です。蜜蝋を巣箱に塗っておくことで、ニホンミツバチを誘引できると考えられているためです。

    ニホンミツバチの捕獲に必要なのは、ニホンミツバチの蜜蝋です。市販されているものはほぼすべてセイヨウミツバチの蜜蝋です。手に入りにくいニホンミツバチの蜜蝋を、自分の巣箱に塗るために採取する人が多いです。

    蜜蝋を使った誘引については次のページで紹介しています。

    巣箱に蜜蝋を塗る

    ニホンミツバチの誘引のために、巣箱に蜜蝋を塗りましょう。すべての愛好家が行っていると言っても過言ではありません。セイヨウミツバチ ではなく、ニホンミツバチの蜜蝋を塗りましょう。

    蜜蝋は搾かすから取り出す

    ハチミツを採取した巣の搾りカスから蜜蝋を作りましょう。蜜蝋の作り方は簡単です。

    絞りカスには蜜蝋の他にも、ニホンミツバチの死骸などのゴミが混ざっていますが、お湯の中に搾りカスを入れると、蜜蝋が溶けて浮き上がってくる性質を利用して、蜜蝋を取り出します。

    まず、搾りカスを木綿製の袋などに入れて鍋の中に入れます。鍋に水を入れてお湯を沸かすと、水より比重の低い蜜蝋が溶けて水面に浮いてきます。完全に蜜蝋が溶けたところで火を止めて冷やせば、固まって蜜蝋の板ができます。

    搾りカスを袋に入れておくことがポイントです。蜜蝋が溶けるとごみは袋の中に残り、蜜蝋だけ浮いてきます。

    なお、蜜蝋の融点は65℃程度ですので、お湯を沸騰させる必要はありません。作業はなるべく屋外で行ってください。

    搾りカスをお湯で溶かすと異臭がします。屋内だと臭いが充満してしまいます。袋の中に蜜蝋を入れるのではなく、絞りカスをお湯に入れて、溶けてから網を沈めることで、蜜蝋のみ取り出しています。

    1回だけでゴミを完全に取り除くことは難しいので、この作業を何度か繰り返して、蜜蝋をきれいにします。

    蒸し器による蜜蝋の作り方

    最近では、蒸し器を利用して蜜蝋を作る人が増えています。蜜蝋の融点はおおよそ65度です。サウナのような高温の空間に搾りカスを入れておくと、蜜蝋だけが溶けて絞りカスから落ちてきます。

    お湯の中で溶かすよりも、最初からゴミが少ない蜜蝋を作れるのがメリットの1つです。

    次の動画では、ダイソーの商品を使って蜜蝋を精製しています。簡単に蜜蝋を作ることができました。

    太陽光・ホットプレートを利用した蜜蝋の精製

    先ほどの蒸し器と同じ仕組みを使い、太陽光を使って容器の中の温度をあげて蜜蝋を精製する器具が販売されています。

    そういった器具は高いので、100円ショップの材料を使って試しに作ってみました。改善点は多いですが、自作される時の参考になれば嬉しいです。

    ただ、太陽光は、天気に左右されてしまうので、弊社ではホットプレートを改良して行っています。年間数十キロの蜜蝋を作らなければなりません。

    加熱しすぎると蜜蝋は発火しますので、温度は必ず一番低くして、加熱中は目を離さないでください。お湯で溶かすよりも最初から綺麗な蜜蝋ができ、作業も簡単です。

    蜜蝋に直火は禁物

    蜜蝋の融点は65度程度です。必要以上に温度をあげすぎないようにしましょう。

    目にみえるゴミを全て取り除くには、蜜蝋だけを湯煎で溶かし、天ぷら油用の濾紙などを使ってろ過するとかなり綺麗になります。

    この時、湯煎ではなく、鍋に蜜蝋を入れて直火で加熱すると、蜜蝋の温度が高くなり過ぎて、蜜蝋の色が黒っぽく変色してしまいます。

    また、目を離したりして長時間火にかけると、煙が出てきて最後には発火します。蜜蝋は可燃物ですので、くれぐれも扱いに注意してください。変色や発火を防ぐため、蜜蝋を直火で溶かすのはやめましょう。

    すぐ蜜蝋を作らない場合は、搾りかすの中でスムシが増殖しないように注意

    ハチミツを絞った後にすぐに蜜蝋を作る場合はよいのですが、そうでない場合も多いと思います。1つの巣箱から採れる蜜蝋はわずかですので、まとめて蜜蝋を作りたくなります。

    このとき、常温で搾りかすを保存しておくと、搾りかすの中でスムシがどんどん蜜蝋を食べてしまいます。

    採蜜が終わった搾りかすはジップロックなどの袋に入れて密封し、冷凍庫に一晩入れてください。これで、スムシが蜜蝋を食べてしまうことはありません。

    作った蜜蝋は常温での長期保存が可能

    蜜蝋の保存方法は、いたって簡単です。蜜蝋は常温であればほとんど変化しない物質です。冷暗所で保存すれば数年間はまず問題ありません。

    ただ、直射日光に当たると、蜜蝋の色が白っぽくなります。このため、常温で、直射日光に当たらない場所で保存しましょう。

    長期保存する場合など、心配であれば冷蔵庫に入れてもよいですが、常温で十分保存できます。

    蜜蝋の使い方、活用方法

    蜜蝋は、その名の通り「ロウ」ですので、蝋燭作りに利用ができます。中世ヨーロッパでは教会用のろうそくの原料として用いられました。ロウソクを作るため、教会では養蜂が行われていたそうです。

    また、ハンドクリーム、リップクリームなどの化粧品の材料になり、市販のものでも蜜蝋を使った製品は多くあります。

    無垢木材の塗装に使う蜜蝋ワックスや、プラスティック利用削減のために注目されている蜜蝋ラップなど、様々な利用用途があります。

    次の動画では蜜蝋ラップ作りに挑戦してみました。

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