分蜂群の捕獲のコツ3. 巣箱に蜜蝋を塗る
巣箱が完成したら、ニホンミツバチを誘引するために蜜蝋を塗ります。捕獲率が上がると言われており、ニホンミツバチの養蜂家の全てが行なっていると言っても過言ではありません。
蜜蝋はニホンミツバチの誘引に効果がある
蜜蝋というのは巣の材料です。蜜蝋がこびり付き、その香りが残っていることは、以前その場所でニホンミツバチが巣を作っていたことを意味します。
どうやら、以前巣を作った場所を好む性質があるようです。セイヨウミツバチの蜜蝋では塗っても効果はなく、ニホンミツバチの蜜蝋を塗る必要があります。
蜜蝋を塗る時期は分蜂の直前の春先が理想的ですが、それよりも前に塗っても、十分効果はあるので問題ありません。
蜜蝋を塗る場所は巣箱の天井部分
蜜蝋を塗る箇所や分量については様々な意見があります。
私たちは、巣箱の天井部分のスノコの部分だけに塗っています。他には、巣門に塗る人もおられます。
匂いがすれば良いので、天井部分だけで問題ありませんが、巣門や壁に塗っても問題はありません。
ベタベタに塗り塗ると逆効果!蜜蝋の塗り方
ベタベタに塗ると、巣を作るときに邪魔になるのでニホンミツバチが嫌がります。蜜蝋は薄く塗れば十分です。
私たちは、塗装面を薪ストーブの上で熱してから、蜜蝋をこすりつけています。蜜蝋の融点は65℃ほどですので、塗装面がその温度以上になっていれば蜜蝋が溶けて薄く塗ることができます。もちろん、このくらいの温度では板がこげることはありません。
普通、薪ストーブは家にありませんので、アイロンやドライヤーで代用させるか、バーナーの火で木の表面を加熱するとよいと思います。
予め木を熱しておき、そこに蜜蝋をこすりつけます。蜜蝋が木の表面で固まってしまった場合は、ドライヤーの温風で溶かしてください。塗布した蜜蝋の有効期限は、はっきりとは分かっていませんが、年に1回春に塗れば十分です。
動画の中では、失敗しやすい刷毛を使う方法も実際にやってみてご紹介しています。
巣箱に塗るのはミツロウだけで良い
砂糖水やハチミツを巣箱に塗ると良いのではないかと試す方がいますが、逆効果です。アリが集まってきてしまいます。
ニホンミツバチが集まることがありますが、これはエサを取りに来ているだけで効果がありません。
分蜂時期には、餌の場所を探すミツバチの他に、新しい巣の場所を探す係の働き蜂が現れます。
その働き蜂に来てもらわないといけません。
ちなみに、キンリョウヘンに誘引されるのは、集合フェロモンの作用です。
蜜蝋も、ニホンミツバチがもともと巣があった場所を好むという理由や、蜜蝋に集合フェロモンの物質が含まれているからと言われています。
どのくらいの効果がある?
蜜蝋は巣箱に塗ると、ニホンミツバチが好むと言われていますが、どのくらいの効果があるのでしょうか?
効果の程度についてはあくまで感覚的なもので、はっきりとしたデータはありません。キンリョウヘンや待ち箱ルアーには効果が劣ります。
ただ、それほど高価なものではないので、塗ったほうが良いでしょう。愛好家のほぼ全員が蜜蝋を使ってニホンミツバチを誘引しています。
蜜蝋を塗っているとミツバチがやってきた?
巣箱に塗るために蜜蝋を温めて溶かした時に、近くに群れがあれば匂いにつられてやってきます。
これは秋でも起こります。秋にハチミツを採って、絞りカスから蜜蝋を精製しようとした時にも、たくさんの蜜蝋が飛んでくることがあります。
なぜ集まってくるのかは正直よくは分かりませんが、おそらく花の蜜を集める働き蜂がやってきているものと思います。
春先に蜜蝋を溶かして巣箱に塗る時にニホンミツバチがやってきても、探索蜂とは限りませんので勘違いしないでください。
余った蜜蝋の保管期限は?
蜜蝋は使い切らない限り、毎年購入する必要はありません。
蜜蝋はほとんど劣化しない物質で何年も保存することができます。余った蜜蝋は密封して冷暗所で保存してください。
ニホンミツバチを捕獲できれば、採蜜時の絞りカスから蜜蝋を作ることができます。また、逃亡してしまった時も残った巣から蜜蝋を作ることができます。
このため蜜蝋は一度用意すれば、翌年以降を買う必要がない場合がほとんどです。
貴重なニホンミツバチの蜜蝋をお譲りしています。
ニホンミツバチの蜜蝋は、非常に希少なものです。
ニホンミツバチのはちみつは生産量が少なく、「幻のはちみつ」のはちみつと言われていますが、蜜蝋はハチミツの20分の1程度しか取れませんので、さらに希少です。
販売している場所が元々少ない上に、最近のニホンミツバチブームもあり、売り切れているお店もあります。
京都ニホンミツバチ週末養蜂の会で採取した蜜蝋は、リップクリームの材料としてほぼ全量提供しておりますので、他の愛好家、団体から提供を受けています。
ニホンミツバチの蜜蝋です。ミツバチが集める花の種類などにより、蜜蝋の色の濃さが変わります。写真の色と、お届けする蜜蝋の色が若干異なることがございます。ご了承ください。
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