スムシの対策

更新日:2020年01月27日

ニホンミツバチの巣をエサとする「スムシ」と呼ばれる蛾の幼虫です。スムシはどんどん巣を食べていくので、ニホンミツバチにとって大変な問題となります。スムシは蛾の正式な名称ではないのですが、広く使われています。

スムシは本当に諸悪の根源?

「スムシが原因で群れがいなくなった」ということをよく聞きます。かわいいニホンミツバチの群れを崩壊させたスムシが憎い、何としてもスムシを退治したいという方も多いです。

ニホンミツバチの重箱式巣箱での飼育では、巣箱の内検を1ヶ月しないこともざらにありますので、その間にスムシが繁殖し、気づいたらスムシの巣になっていることもあります。

また、重箱式巣箱では下からのぞいて巣の成長をチェックすることが主なので、内部の様子はなかなかわかりません。

結果、久しぶりに見に行ったら、中がスムシだらけになっていたということも多いです。

このような場合、スムシにやられたと判断しやすいですが、結果的にスムシにやられた群れでもスムシは本当の原因ではないことが多いようです。

群れが消滅する過程で最後にスムシが必ずニホンミツバチの巣を食い荒らします。

例えば、次のような場合です。

  • 女王蜂の調子が悪く働き蜂の数が減っていったとき
  • 農薬の被害にあってたくさんの働き蜂や幼虫が死んでしまったとき
  • エサとなる蜜源が不足して群れが弱った時
  • アカリンダニの被害で群れが弱った時

つまり、スムシが原因ではなく、何らかの原因で群れが弱り、結果としてスムシに巣が食い荒らされた場合が多いのです。

もちろん、スムシが原因の場合もあるとは思いますが、過度なスムシ対策に躍起になるのは得策ではないと考えています。スムシの発生の原因も、よく考える必要があります。

「スムシさえ防げれば、ニホンミツバチの飼育は上手くいく」というわけではないようです。

スムシはほぼ全ての群れにいる?

ほぼすべての群れにはスムシがいると考えるのが自然です。

実際に内見や採蜜のときに見かけることも珍しくありません。しかし、群れが正常なときはスムシにはやられません。

群れが元気なときは、自分たちでスムシを運び出したり、巣から落としたりして対抗しているようです。群れが元気の時に見つかるスムシは、ごくごく小さいものです。

スムシが小さいうちは、ニホンミツバチが退治できるのですが、大きくなるとそうはいきません。

対策としては、巣箱の底に貯まる巣のカスにスムシが発生するので、定期的に巣のカスを取り除くことと、巣箱の底からスムシが登ってこられないように巣箱の形状を工夫することがあります。

私たちは、底板の上に貯まる巣のカスの掃除はしていませんが、次の動画のように、底板の上に常に風が通り、巣のカスがたまらないような構造にしています。これは新型鉄製台と呼んでいます。販売もしていますので、興味のある方はショップをご覧ください。

また、分蜂直後も同様にミツバチの数が大きく減っている場合があり、同様の対応をすることがあります。

スムシはどこから来るのか?

スムシは蛾なので、どこからか成虫が飛んで来て、卵を産み付けているようです。

スムシの生態については、よくわかっていないことも多いようで、実際にどこから侵入しているのかははっきりしていません。

スムシは巣門から堂々と入ってくるのを見たことがあります。

分蜂群れが巣箱に入居する動画を撮影し、あとで確認したらスムシも一緒に入っていきました。

重箱式巣箱の底板の上に溜まった巣屑を小まめに掃除されている方はたくさんおられます。

また、先ほど紹介した新型鉄製台のように、巣屑自体がたまらない構造の巣箱を使う手もあります。

しかし、先ほどのような巣屑が貯まらないものでも、スムシが発生することはあるので、底板で発生するスムシを防いでも、群れでの発生を完全に防ぐ効果はないようです。

巣門からこそっと入って来るのか、それとも重箱と重箱の小さな隙間でも入ることができるのか。

いずれにせよ、健常な群れでも小さいスムシが見つかるのは珍しくないことから、大半の群れはスムシの侵入を許していることは確かです。

粘着シートでスムシを捕獲する方法など、様々な方法を皆さん試されています。有効な対策が見つかると良いですが、スムシの侵入を完全に防ぐのは難しいでしょう。

越冬後や分蜂直後の最上段の採蜜を採蜜する

越冬直後はミツバチの数が減り、巣の下部に集まっています。

重箱式巣箱の場合、最上段のハチミツはほぼ無くなっています。

このままハチミツがたまるのを待っても良いですが、ミツバチの数に対して巣が大きいため、スムシに対する守りが弱い状態になっています。

このため、最上段を切り離すことがよく行われます。

スムシは繁殖してしまうとほとんど対策のしようがない

スムシがうじゃうじゃいて、ニホンミツバチの数が少なくなった状況では、もうほとんど人間が助けてやれることはありません。

まだスムシが少なく、群れの存続の可能性がある場合に、ニホンミツバチの群れだけ別の巣箱に移すなどを行う人もいますが、スムシが発生するような群れはもともと何らかの問題を抱えていることも多く、望みはあまり多くないように思います。

また、そのままスムシが繁殖したのを放置しておくと、巣箱にたくさんの穴をあけて、ダメージを与えてしまいます。ニホンミツバチがいなくなった巣箱は早めに回収するようにしています。

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