スムシの対策

更新日:2021年08月15日

ニホンミツバチの巣をエサとする「スムシ」と呼ばれる蛾の幼虫です。ハチノスツヅリガとウスグロツヅリガの2種類います。スムシがどんどん巣を食べてしまうと、ニホンミツバチにとって大変な問題となります。

スムシは繁殖してしまうとほとんど対策のしようがない

スムシがうじゃうじゃいて、ニホンミツバチの数が少なくなった状況では、もうほとんど人間が助けてやれることはありません。

まだスムシが少なく、群れの存続の可能性がある場合に、ニホンミツバチの群れだけ別の巣箱に移すなどを行う人もいますが、スムシが発生するような群れはもともと何らかの問題を抱えていることも多く、望みはあまり多くないように思います。

また、そのままスムシが繁殖したのを放置しておくと、巣箱にたくさんの穴をあけて、ダメージを与えてしまいます。ニホンミツバチがいなくなった巣箱は早めに回収して、巣板を掃除します。

次の動画は、スムシが大量に発生した巣箱の様子です。

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スムシはほぼ全ての群れにいる

ほぼすべての群れにはスムシがいると考えるのが自然です。

実際に内見や採蜜のときに見かけることも珍しくありません。しかし、群れが正常なとき、ミツバチの数が多く、健康な、いわゆる「強群」にはスムシにはやられません。

群れが元気なときは巣板が蜂で覆われていて、スムシが巣板を食べることが難しいようです。群れが元気の時に見つかるスムシは、ごくごく小さいものです。

スムシはどこから来るのか?

スムシの親の蛾がどこからか飛んで来て、卵を産み付けます。

スムシの生態については、よくわかっていないことも多いようですが、ビー・セブン・プロダクツの西村光男氏によると、スムシは夜間に巣門から入ってくるそうです。

また、週末養蜂では、分蜂群れが巣箱に入居する動画を撮影してあとで確認したら、スムシも一緒に入っていたこともありました。

いずれにせよ、健常な群れでも小さいスムシが見つかるのは珍しくないことから、大半の群れはスムシの侵入を許していることは確かです。

巣箱の底の掃除は効果あり?

スムシの対策としては、巣箱の底に貯まる巣のカスにスムシが発生するので、定期的に巣のカスを取り除くことと、巣箱の底からスムシが登ってこられないように巣箱の形状を工夫することがあります。

底板の上に貯まる巣のカスの掃除はしていませんが、底板の上に常に風が通り、巣のカスがたまらないような構造にしています。

しかし、巣屑が底に貯まらないものでもスムシが発生することはあるので、底板で発生するスムシを防いでも、発生を完全に防ぐ効果はありません。

スムシから守りやすくするという観点で、越冬明けに最上段を切り離すことがよく行われます。

越冬直後はミツバチの数が減り、巣の下部に集まっています。重箱式巣箱の最上段のハチミツはほぼ無くなっていて、空っぽの巣板になっています。

このままハチミツがたまるのを待っても良いですが、ミツバチの数に対して巣が大きいため、スムシに対して守りにくい状態になります。これを防ぐために空っぽの最上段を採ります。

他には、粘着シートでスムシを捕獲する方法など、様々な方法を皆さん試されていますが、スムシの侵入を完全に防ぐのは難しいと考えています。

2020年末にスムシっ子カードが登場

これまで有効な対策方法がなかったスムシですが、2020年12月に、ビー・セブン・プロダクツからスムシの対策製品、スムシっ子カードが発売されました。

生まれたばかりのスムシを誘引して生物農薬でスムシを殺すもので、ミツバチやハチミツに影響がなく、安全に利用することができます。

スムシにお悩みの方はぜひ動画をご覧ください。17分と少々長い動画ですが、製品の仕組みやよくある質問まで、開発者にたっぷりとインタビューしています。

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ただし、スムシの被害を完全に防ぐことはできないと考えられるため注意してください。

スムシっ子カードは小さなスムシを殺すことができますが、群れの調子がかなり悪くなり、巣板が露出するような状態になると、直接巣に卵を生み付けられてそこからスムシが繁殖します。

スムシは本当に諸悪の根源?

「スムシが原因で群れがいなくなった」ということをよく聞きます。かわいいニホンミツバチの群れを崩壊させたスムシが憎い、何としてもスムシを退治したいという方も多いです。

ニホンミツバチの重箱式巣箱での飼育では、巣箱の内検を1ヶ月しないこともざらにありますので、その間にスムシが繁殖し、気づいたらスムシの巣になっていることもあります。

また、重箱式巣箱では下からのぞいて巣の成長をチェックすることが主なので、内部の様子はなかなかわかりません。

結果、久しぶりに見に行ったら、中がスムシだらけになっていたということも多いです。

このような場合、スムシにやられたと判断しやすいですが、結果的にスムシにやられた群れでもスムシは本当の原因ではないことが多いようです。

群れが消滅する過程で最後にスムシが必ずニホンミツバチの巣を食い荒らします。

例えば、次のような場合です。

  • 女王蜂の調子が悪く働き蜂の数が減っていったとき
  • 農薬の被害にあってたくさんの働き蜂や幼虫が死んでしまったとき
  • エサとなる蜜源が不足して群れが弱った時
  • アカリンダニの被害で群れが弱った時

つまり、スムシが原因ではなく、何らかの原因で群れが弱り、結果としてスムシに巣が食い荒らされた場合が多いのです。

もちろん、スムシが原因の場合もあるとは思いますが、過度なスムシ対策に躍起になるのは得策ではないと考えています。スムシの発生の原因も、よく考える必要があります。

「スムシさえ防げれば、ニホンミツバチの飼育は上手くいく」というわけではありません。

スムシについて専門家にたっぷり質問してきました

スムシにお悩みの方も多いと思います。スムシ自体があまり馴染みがなく、詳しく書かれている書籍も少ないです。

スムシっ子カードを開発された西村氏は、スムシの研究者です。スムシの生態や対策方法について、たっぷり聞いてきた動画があります。

前半が約9分、後半が約8分です。

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スムシに関する動画

スムシに関する動画を紹介します。

死滅した群れを回収にいくと、たくさんのスムシが大きな繭を作って羽化した後でした。

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