働き蜂はすべてメス。危険な仕事は年長者が担当
驚くことに、働き蜂はすべてメスです。しかし、女王蜂が群れにいる間は、働き蜂が産卵することはありません。働き蜂の寿命は、活発に活動する時期ではわずか30日程度、最も寿命が長い越冬時期でも140日程度です。
ニホンミツバチの仕事の分担は、生まれてからの日数で変わります。羽化した直後は、巣の掃除や育児などの仕事を行います。日数が経過するごとに巣作りやハチミツの製造などの仕事を行うようになり、最後には巣箱の外に出て花の蜜を集める仕事を行います。
花の蜜を集める仕事は、途中で外敵に襲われたり、大変な危険を伴います。巣箱の中よりも、命を落とす可能性が圧倒的に高いです。この危険な仕事を、年を取ってから余命が少ない働き蜂が行う仕組みになっているのです。
働き蜂の卵、幼虫
育児を行う巣房には卵が1つずつ生みつけられ、幼虫が育ちます。卵は細長く、巣房の中に立つように産み付けられています。
幼虫になると巣房の底に丸くなっています。ただ、これは真横から撮影した様子ですので、実際には縦向きです。頭の位置には特に決まりがないように見えます。
左上の幼虫のように、巣房に収まらないくらい大きくなると蛹になるのも近いです。蛹になると巣房には蓋が付けられます。羽化するときには蓋を破って出てきます。
次の動画ではマクロレンズで卵や幼虫を撮影しています。
ミツバチダンスで花の場所を教える
ニホンミツバチは、個々の働き蜂が連携しながら、仕事を分担して群れを維持しています。その生態は非常に興味深く、どのように群れ全体で意思決定しているのか、不思議です。
働き蜂同士のコミュニケーションで興味深いのは、8の字ダンスです。ニホンミツバチはおおよそ2キロメートルほど離れた場所まで花の蜜を集めに行きますが、1匹で集められる量はわずかです。
多くの働き蜂が花の場所の情報を共有して、共同で蜜を運ぶ必要があります。巣の上側を太陽の方角として、体を振りながら進む方向が、花のある場所を表し、体を振る時間が花までの距離を表すそうです。
働き蜂が産卵するときは緊急事態
働き蜂は、女王蜂のいる間は産卵しませんが、女王蜂が事故や寿命などの原因で死んでしまうと、卵を産むようになります。働き蜂は交尾をすることができないため、このときの卵はすべて無精卵です。産まれてくるのはすべて雄蜂(おばち)です。
羽化した雄蜂が他の群れの女王蜂と交尾することで、なんとか遺伝子を残そうとするようです。働き蜂の産卵が起こると、一つの巣房に複数の卵が産み落とされることがよくあります。
働き蜂の他に女王蜂と雄蜂がいる
働き蜂の他に、「女王蜂」とオスのミツバチ、「雄蜂」がいます。それぞれ紹介しています。