分蜂群の捕獲方法のコツ1 分蜂の時期は逃さない。
ニホンミツバチの捕獲にはシーズンがあり、逃すと捕獲できません。しかし、時期を逃す方がたくさんがいます。相談を受けた時に、あと少し早かったらと思うことも多くあります。日本各地の分蜂時期について紹介します。
全国の分蜂発生時期の目安
分蜂(ぶんぽう)といって、巣分かれして出てきた群れを捕獲します。この分蜂に季節性があるため、シーズンが限られます。
捕獲シーズン = 分蜂シーズン と考えてください。
各地の分蜂開始時期の目安を紹介します。あくまで目安ですし、地域内でも早い遅いがあります。また、その年の気候により、数週間前後することがありますのでご注意ください。
桜の開花時期と近いようですが、実際の分蜂状況は分蜂マップをご覧ください。桜が散った頃という記述も見かけますが、それでは少し遅いタイミングになることがあります。
- 九州南部:3月中旬から
- 九州北部:3月下旬から
- 四国:4月上旬から
- 中国:4月上旬から
- 関西:4月上旬から
- 東海:4月上旬から
- 関東:4月上旬から
- 北陸:4月下旬から
- 信越:4月下旬から
- 南東北:4月下旬から
- 北東北:5月上旬から
分蜂は一気に始まり、ピークは数週間
次の表は、2018年に三重県、愛知県、静岡県から寄せられた合計199個の分蜂報告をグラフ化したものです。
都道府県の中でも気候の差が少ないという理由で3県を選びましたが、関東から中国地方の太平洋側はほぼ同じような特徴です。
分蜂はじわじわと増加するのではなく、数日の間に一気に起こり始めます。2018年の三重、愛知、静岡ではそれが4月1日頃でした。
ただ、注目したいのは、4月1日よりも早い時期に分蜂しているものが3件あることです。
特に、一番早いのは3週間も早く分蜂しています。これは、一部の極端に早い分蜂か、分蜂ではなく逃げ出してきた群れです。
特に暖冬の年には、他の群れよりも極端に早い分蜂が報告されやすいです。
このような極端に早い分蜂の情報を聞いて、今年は去年よりも何週間も早く分蜂が始まると勘違いしてしまう人もいます。
開始から1週間程度経つとピークを迎えます。ピークはわずかな数週間ですが、この期間には多くの分蜂群れが捕獲されます。
その後も多少は続きますが、確率はかなり低いです。
2018年の三重、愛知、静岡は、5月1日の段階で、その年の75%の分蜂は終わっています。さらに、6月以降ではわずかな数しかありません。
このように、ニホンミツバチの捕獲では、分蜂開始までにしっかりと準備できるかが鍵となります。
分蜂が始まってから準備するのでは、捕獲の見込みは大きく下がります。分蜂が始まってしまえば待つことしかできません。始まるまでの準備がすべてを決めるのです。
正しい分蜂時期は、分蜂マップでチェック
全国の方から分蜂時期についてよく問い合わせを受けていますが、飼育者でも経験が浅い人は、実際の分蜂よりも遅いと勘違いしている場合があります。
これは、飼育群が少ないと、自分や仲間たちで観測できる分蜂は、それほど多くないためです。分蜂が早く起こる群れや、遅れる群れなど個体差もあります。
自分たちが知らないうちに早めの分蜂が起こっていることが多々あるのです。
分蜂時期に分蜂マップにアクセスすると、まさに今、どこで分蜂が始まっているかがよく分かります。
分蜂が起こる時期は年によって少しずれることがあるので、分蜂マップでその年の分蜂状況をリアルタイムで把握するようにしてください。
分蜂時期を逃すと、ニホンミツバチは来ない
ニホンミツバチという自然が相手です。捕獲のタイミングはニホンミツバチの活動時期に大きく影響されます。
分蜂群を捕まえて飼育を始めるのですが、その分蜂群がやって来る時期を逃すと捕獲できません。分蜂時期を逃してしまうと、また1年間待たなければなりません。
次の体験談のような失敗例が驚くほど多いのです。
分蜂が始まっているのにそれを知らずにのんびり巣箱を作っている人もいます。
暖冬の年は分蜂は早くなる?
暖冬の年には分蜂が早く起こる傾向にあります。
2015年からミツバチQ&Aを運営しているおり、過去のデータが溜まってきています。分蜂は年によって一週間程度前後するようですが、暖冬だからといって1ヶ月や何週間も早くなることはありません。
分蜂時期を早く読みすぎて待ち箱ルアーを早く開封しすぎたり、キンリョウヘンを開花時期を早く合わせすぎたりしないようにしてください。
分蜂マップ使うのがその年の分蜂の時期を知るのに一番良い方法です。分蜂は気温が高い南の方から徐々に北上してきます。
分蜂の少し前から巣箱は設置しておく
分蜂が始まるよりも余裕を持って、巣箱を設置しましょう。
直前から準備しても、予想以上に作るのに時間がかかったりします。冬の間に準備しておきましょう。
捕獲方法のコツでもご説明しますが、巣箱は3つ以上は用意しておいてください。
巣箱の設置場所も、同じく3箇所以上は用意しておいてください。
研究機関にも納品実績のある重箱式巣箱の作り方を紹介します。まず捕獲に必要な最小構成の巣箱の作り方を紹介します。待ち箱をたくさん設定してニホンミツバチを捕獲しましょう。
分蜂発生予想の一週間前を目安に待ち箱ルアーを開封
分蜂が起こる前に、ニホンミツバチは新しい住処を探しています。新しい住処を探す役割のミツバチがおり、探索蜂(たんさくばち)と呼ばれます。
この、探索蜂が活動する時には全ての準備が完了していることが必要です。探索蜂が分蜂のどのくらい前から活動を開始するか、はっきりとはわかっていませんが、一週間前には巣箱を置いてください。
年によって分蜂が早いときもありますし、群れが大きければ、早めに分蜂することもあります。
巣箱は、冬の間から置いていても問題ありません。その場合は、中に蜘蛛などが巣を作っていないかを、分蜂の前に確認してください。蜜蝋も、冬の間に塗ってそのままで問題ありません。心配ならもう一度塗り直してください。
ニホンミツバチの分蜂群れに効果の高い、待ち箱ルアーは45日間効果が持続します。分蜂の一週間くらいに開封してください。分蜂のもっとも多い時期をカバーすることができます。
待ち箱ルアーについて詳しくは、次のページをご覧ください。
キンリョウヘンの誘引成分を分析し、化学的に合成された誘引剤です。巣箱に取り付けて、ニホンミツバチの分蜂群れの誘引を行います。
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