分蜂時期を逃すと、ニホンミツバチは来ない
ニホンミツバチという自然が相手です。捕獲のタイミングはニホンミツバチの活動時期に大きく影響されます。
分蜂群を捕まえて飼育を始めるのですが、その分蜂群がやって来る時期を逃すと捕獲できません。分蜂時期を逃してしまうと、また1年間待たなければなりません。次の体験談のような失敗例が驚くほど多いのです。
巣箱が完成し、早速ミツバチがいそうな場所に置いてみましたが、何の反応もありません。キンリョウヘンが良いと聞いてすぐに購入し巣箱の横に置いてみましたが、全く効果はありませんでした。後で分かったのですが、その時にはすでに分蜂が終わっていたようです。
全国の分蜂発生時期の目安
分蜂(ぶんぽう)といって、巣分かれして出てきた群れを捕獲します。この分蜂に季節性があるため、シーズンが限られます。捕獲シーズン = 分蜂シーズン です。各地の分蜂開始時期の目安を紹介します。
- 九州南部:3月上旬から
- 九州北部:3月中旬から
- 四国:3月下旬から
- 中国:3月下旬から
- 関西:3月下旬から
- 東海:3月下旬から
- 関東:3月下旬から
- 北陸:4月中旬から
- 信越:4月中旬から
- 南東北:4月中旬から
- 北東北:4月下旬から
その年の分蜂状況は分蜂マップで
分蜂の時期を正確に把握するために、弊社では分蜂マップを提供しています。
分蜂マップは、日本中の愛好家がニホンミツバチの分蜂の発生を投稿するWebサービス、アプリです。投稿されると、即時に反映されて全国の利用者が閲覧できる状況になります。
2023年には4000件を超える報告が投稿されました。春先になると鹿児島県から分蜂の報告が届き、徐々に北上していきます。
分蜂は年によって前後しますので、春先には分蜂状況をリアルタイムで把握してください。
桜の開花時期を分蜂の目安にする場合もありますが、地域や年によってズレが大きく、大きな失敗につながる場合があります。
分蜂は一気に始まる
次の表は、2018年の分蜂マップに三重県、愛知県、静岡県から寄せられた合計199個の分蜂報告をグラフ化したものです。
都道府県の中でも気候の差が少ないという理由で3県を選びましたが、関東から中国地方の太平洋側はほぼ同じような特徴です。
分蜂はじわじわと増加するのではなく、数日の間に一気に起こり始めます。2018年の三重、愛知、静岡ではそれが4月1日頃でした。
1ヶ月で7,8割の分蜂は終わってしまう
開始から1週間程度経つとピークを迎えます。ピークはわずかな数週間ですが、この期間には多くの分蜂群れが捕獲されます。
2018年の三重、愛知、静岡は、5月1日の段階で、その年の75%の分蜂は終わっています。さらに、6月以降ではわずかな数しかありません。
このように、ニホンミツバチの捕獲では、分蜂開始までにしっかりと準備できるかが鍵となります。分蜂が始まると後は待つことしかできません。始まるまでの準備がすべてを決めるのです。
極端に早い報告は注意
注目したいのは、4月1日よりも早い時期に分蜂しているものが3件あることです。特に、一番早いのは3週間も早く分蜂しています。
これは、一部の極端に早い分蜂か、分蜂ではなく逃げ出してきた群れの可能性もあります。また、分蜂マップには誰でも投稿できるため、悪意がある投稿の可能性もあります。
このような極端に早い分蜂の情報を聞いて、今年は去年よりも何週間も早く分蜂が始まると勘違いしてしまう人もいます。
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