分蜂群れの捕獲のコツ4. 待ち箱ルアーで誘引する
待ち箱ルアーという製品を使って、ニホンミツバチを誘引しましょう。多くの愛好家が利用しています。
待ち箱ルアーの紹介動画もご用意しています。約7分間の動画で、取り付け方法や注意点も詳しくご紹介しています。
待ち箱ルアーは捕獲の強い味方
ニホンミツバチの捕獲には、キンリョウヘンというランが広く用いられて来ました。
キンリョウヘンはニホンミツバチの捕獲に大きな効果があり、日本ミツバチを飼育している人なら誰でも栽培していたと言っても過言ではありません。
誘引する方法はいたって簡単で、キンリョウヘンの花を捕獲用の巣箱の隣に置いておきます。
キンリョウヘンの花がニホンミツバチを誘引するのですが、他の花のような蜜ではなく、集合フェロモンの作用でニホンミツバチを誘引します。
この不思議なキンリョウヘンのランの誘引成分を、京都学園大学(現 京都先端科学大学)の研究グループが同定し、化学的に合成して製造した製品が待ち箱ルアーです。
京都学園大学(現 京都先端科学大学)発のベンチャー「京都ニホンミツバチ研究所」が製造を行なっています。
待ち箱ルアーは、開封して巣箱に取り付けるだけでキンリョウヘンの誘引力を手軽に使うことができます。
分蜂が起こる少し前から、新しい営巣場所を探す探索蜂が活動し始めると考えられることと、予想よりも少し早く分蜂が起こる場合に備えて、分蜂の開始の予想日の1週間ほど前に開封して取り付けましょう。
自分の地域でいつ分蜂が起こるかを知るには、分蜂マップを定期的にチェックすることが有効です
待ち箱ルアーは大人気
待ち箱ルアーは毎年10,000人以上の全国の愛好者に購入していただいています。
また、リピーターが多く、2014年の発売から販売数は年々増加しています。
なぜこんなに人気なのでしょうか? まず、誘引の効果が大きいことです。
キンリョウヘンが広く使われていたことからわかるようにキンリョウヘンの誘引力が強いため、それを化学的に合成した待ち箱ルアーも強い誘引力を持っています。
待ち箱ルアーは手軽に使える
効果が高く評価される一方で、キンリョウヘンは扱いにくいことが弱点でした。
入門者向けの蘭とは言え、これまで蘭の栽培経験がない人にはキンリョウヘンの栽培は難しいです。
特に、ニホンミツバチの分蜂時期とぴったり合わせて開花させるのはそう簡単ではありません。
また、花がせっかく咲いても数週間しか持ちません。
一方、待ち箱ルアーは芳香剤のように使えます。購入して使うまでは未開封で保存しておき、分蜂時期に合わせて開封して巣箱に取り付けるだけです。
効果は45日間持続します。キンリョウヘンよりも圧倒的に手軽に利用することができるのです。
キンリョウヘンの誘引成分を分析し、化学的に合成された誘引剤です。巣箱に取り付けて、ニホンミツバチの分蜂群れの誘引を行います。
ご購入はこちらから
待ち箱ルアーなら分蜂時期を逃さない
ニホンミツバチの捕獲に広く使われてきたキンリョウヘンですが、キンリョウヘンの咲く時期と、分蜂の時期を合わせる必要があります。
キンリョウヘンの咲く期間はわずか数週間です。分蜂の時期はその数が多い時期を見ても最低でも2か月程度あり、全部をカバーすることは不可能です。
また、分蜂が多い時期に丁度合わせてキンリョウヘンの花を咲かせることは困難でした。養蜂家へのアンケートでもキンリョウヘンの栽培を難しいと感じる愛好家の声が目立ちました。
待ち箱ルアーなら、効果が45日と長期間持続します。分蜂が始まる少し前に開封し、巣箱に設置しておけば分蜂時期を逃すことはありません。
もうキンリョウヘンが開花しないからといって不安になったり、うまく栽培できなかったためにニホンミツバチを捕獲できず、悔しい思いをすることはできません。
待ち箱ルアー本当に使った方が良い?
待ち箱ルアーもキンリョウヘンも高いしできれば用意したくないな、本当に必要なのかな、なくても大丈夫と思う気持ちもよく分かります。
しかし、これから始める初心者の方は、待ち箱ルアーの利用を強くお勧めします。
すでに飼育群がいる人は、そこから出てくる分蜂群れを捕獲できるのですが、これから始める人は、どこにニホンミツバチがいるかも分からない状況ですので、誘引が非常に大切です。
それに、待ち箱ルアーとキンリョウヘンは、ニホンミツバチの養蜂では広く普及しています。
私たちは分蜂マップという分蜂の捕獲報告システムを運営し、日本全国から受け付けています。
分蜂マップの捕獲報告でニホンミツバチが自然に巣箱にやってきたもののうち、90%にキンリョウヘンまたは待ち箱ルアーが利用されています。
キンリョウヘンか、待ち箱ルアーのどちらかを使うのはもう常識と言える状態です。
- 待ち箱ルアー利用 45%
- キンリョウヘン利用 45%
- どちらも利用しない 10%
必ず捕獲できる製品ではない
残念ながら、待ち箱ルアーは取り付ければすぐにニホンミツバチが集まってくるような製品ではありません。
周囲に分蜂しそうな群れがいる必要があります。
また、待ち箱ルアー以外にも捕獲を左右する要素は多くあります。
これから始める初心者は待ち箱ルアーを使ったとしても捕獲率は1割程度です。また、ベテランでも数割の捕獲率で十分です。
待ち箱ルアーに過度に期待しないようにしてください。
待ち箱ルアーのよくある誤解、質問を動画でまとめていますのでぜひご覧ください。
入居したら取り外して別の待ち箱で利用しよう
ニホンミツバチが入居したら待ち箱ルアーは取り外してください。待ち箱ルアーに誘引されて別の分蜂の探索蜂がやってきてしまいます。
待ち箱ルアーを別の箱に取り付け、分蜂群れが来るのを待ちましょう。運が良ければ一つの待ち箱ルアーで複数の群れが捕獲できることがあります。
最も良いのは、ミツバチが入居したらその巣箱を別の場所に移動させて別の場所で飼育して、捕獲できた場所に新たに空の待ち箱を置くことです。
ニホンミツバチが入居した場所というのはとても良い場所です。分蜂は一群から3回程度起こりますので、入居した群れの元の巣から別の分蜂群れが出てきます。その群れは、同じ場所に入居してくれる可能性が高いのです。
誘引は、待ち箱ルアー(またはキンリョウヘン)と、蜜蝋で十分
ニホンミツバチの誘引については、効果があるのか分からない、俗説のようなものもたくさんあります。
他の方法を探したり試してみるのはもちろん良いのですが、初心者がいきなり色々やるのは大変ですし、大きな効果も期待できません。
このサイトの捕獲のコツで紹介しているのは、本当に捕獲に効果があるものだけです。
ニホンミツバチの誘引では、ニホンミツバチ蜜蝋(みつろう)と、このページで紹介している待ち箱ルアーの両方を使ってください。これだけで十分です。
なお、ランの栽培が得意な方は待ち箱ルアーの代わりにキンリョウヘンを使われても大丈夫です。
蜜蝋については次のページをお読みください。
ニホンミツバチの誘引のために、巣箱に蜜蝋を塗りましょう。すべての愛好家が行っていると言っても過言ではありません。セイヨウミツバチ ではなく、ニホンミツバチの蜜蝋を塗りましょう。
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