捕獲できない最大の原因は巣箱の少なさ
ニホンミツバチを捕獲できないと言う相談を受けることも多いです。巣箱を1つだけ設置する方も多いようです。しかし、巣箱を1つだけ用意しても捕獲の確率は低く、1、2割と考えてください。
これから始める初心者の場合、どこにニホンミツバチが住んでいるかも分かりません。巣箱1つだけでは、例え経験豊かな人でも捕獲することは難しいです。
「試しに1箱置いてみます。」とよく言われますが、1箱だけではかなり可能性が低い挑戦になります。
小さな簡易な構成でOK!5個は巣箱を用意したい
最も捕獲に近づくコツは、巣箱の数を増やすことです。単純に1つを2つにすれば確率は2倍です。巣箱1つの可能性が1、2割であることを考えると、最低5個は巣箱を用意してください。
もちろん、たくさん巣箱を作るのは大変です。重箱式巣箱の場合、ニホンミツバチが営巣すると、秋には4段、5段と重箱を重ねます。しかし、分蜂群の捕獲にそれほど大きな巣箱は必要がありません。2段ずつ設置します。この場合の巣箱の中の広さは縦横22cm、高さ30cmです。
2段のままでは、秋まで飼育できませんが、捕獲してから追加すれば問題ありません。屋根や台も捕獲の段階では簡易なもので大丈夫です。
コンクリートブロックや瓶ビールのケースなどを台にして、地面から少し高い場所に巣箱を設置してください。また、写真では専用の屋根を使っていますが、この段階では板を巣箱の上に乗せるだけの簡単なもので大丈夫です。
春に巣箱が足りない方には、販売もしています。詳しくは次のリンクをお読みください。
数百メートル以上離して設置する
巣箱をたくさん用意したら分散して設置することが大切です。
実は、巣箱を家の庭に並べるのはとても勿体無いです。1つの場合と大差ないからです。
家の前の庭、後ろの畑、家の横の倉庫の軒下のように、10メートルから数十メートルは離すと少しは良くなりますが、理想は数百メートル離してください。
巣箱の設置に適した場所
ニホンミツバチがやってくる時には、大きな音を立てて雲のようにミツバチの大群がやってきます。このため、安全が確保される場所に巣箱を設置してください。
自宅に設置する場合、家の正面以外の軒下や、庭木の根元がおすすめです。巣箱の前にミツバチが飛び立つスペースを確保してください。
畑に置く場合は、畑の隅の木の下や小屋の側に設置できます。次の動画では 実際の巣箱の設置場所を紹介しています。
設置条件について神経質にならない
「こういう場所が良い」と様々な設置場所の条件が紹介されています。ただ、本当に影響があるのか、はっきり分からないものがほとんどです。
例えば、「見晴らしが良い」という点について考えてみましょう。実際には、見晴らしがよくない場所に置いた巣箱にも、ニホンミツバチは入居します。
また、野生の巣は、平地の住宅街の床下や、お墓、森の中など、見晴らしが特に良いとは言えない様々な場所に作られています。
巣門の向きのように、人によって言うことがバラバラなものも多くあります。特に北向きでも南向きでも違いは感じません。
確かに、こういった条件がわずかに影響がある可能性はあります。しかし、気にし過ぎる余り、巣箱の設置場所が限定されてしまったり、設置場所の検討・決定に時間がかかって準備が疎かになると本末転倒です。
巣箱を設置してはならない場所
当然ですが、必ず自分の土地に巣箱を設置してください。また、安全が十分確保できる場所を確保してください。
バレないだろうと住宅街でも飼育しようとする方もいます。分蜂群が巣箱の中に入るときには、かなり大きな羽音がするので、目の付きにくい場所でこっそり飼おうとしてもばれてしまいます。
友人・親戚に巣箱を設置させてもらおう
巣箱の数を増やすために、友人や親戚に頼んでお願いしましょう。畑の端などの小さなスペースでも巣箱を置くことはできます。
ミツバチを飼いたいことを周りの人が知るようになると、お墓などにできた自然巣の情報や、「実はあそこの〇〇さんもミツバチを飼っている」のように、地域の飼育者を紹介してくれることもあります。
捕獲できたら、自分の家に巣箱を移動させることができます。