ニホンミツバチの分蜂群れの捕獲方法は、それほど複雑ではありません。しかし、捕獲方法やコツを何も知らないまま、闇雲にやっても捕獲できる確率は低いです。簡単なコツがいくつかあり、これを実践することで捕獲の確率を高めることができます。

分蜂とは

分蜂について簡単におさらいしましょう。分蜂の読み方は、「ぶんぽう」です。分封とも書きます。ミツバチが増える仕組みのことです。

春になると、新しい女王蜂が生まれます。すると、その母親の女王蜂は、働き蜂の約半数を連れて巣を飛び出し、新たな場所に巣を作ります。母親が家を出て行くのです。

巣を飛び出した群れが新しい巣の場所を探しています。ニホンミツバチの分蜂群れの捕獲とは、新しい快適な家を用意してそこに入居してもらうことを指します。

また、新しい場所に引越し途中の群れを強制的に捕まえて自分の巣箱に入れてしまうこともできます。こちらはまさに「捕獲」ですね。

巣箱を作っておいて分蜂した群れが入居するのを待つ

それでは、まず、巣箱を作って入居を待つ方法をご紹介します。

これは、小鳥の巣箱を作って、入居を待つのと似ています。巣箱を作っておくと、たまに小鳥が入ってそこで小鳥が暮らすのを観察したりしますよね。

ニホンミツバチもこれと同じで、巣箱を作って待っていると、分蜂群れが入ってくれることがあります。小鳥と同じで必ず入るとは限りません。

「分蜂を捕獲する」とよく言いますが、実際には捕獲というよりも入居したという表現が実態に近いです。

先ほど、分蜂して引っ越し中のニホンミツバチの群れを強制的に捕獲することもできると書きましたが、置いておいた巣箱にそのまま入るほうが数が多いです。

ニホンミツバチの分蜂群れは多くの場合は数千匹以上です。大群が一斉に飛来するので、嵐のような音を立てながら、雲のように飛んで来ます。

入居の前には偵察隊がやってくる

いきなり分蜂群れが飛んでくるのではありません。

まず、偵察隊が営巣(えいそう)に適した場所を探します。これは、探索蜂(たんさくばち)と呼ばれます。

有力な候補地になると、50匹、100匹程度の探索蜂が頻繁に出入りするようになります。

初心者は、すでにニホンミツバチが住んでいると勘違いして、巣箱を動かしたり、キンリョウヘンを移動させてしまい、失敗することがよくあります。入居を確認するまでは、何もせずに待つことが鉄則です。

探索蜂が来ても、他に良い場所を見つけて、入居してくれないことも多いので、探索蜂が来た時点では期待しすぎないほうがよいです。

次の動画は、たくさんの探索蜂が来ていますが、まだ捕獲には至っていません。このような状態で喜んでしまい、巣箱を動かしたりしないでください。

蜜蝋で分蜂群を誘引する

何もしなくてもニホンミツバチの分蜂群れやってくることもありますが、いくつか入居の確率を高める方法があります。

その1つが、蜜蝋(ミツロウ)です。蜜蝋とはミツバチの巣の材料です。

ニホンミツバチのミツロウを巣箱に塗ることで、ニホンミツバチの分蜂群れを誘引できることが知られています。

巣箱の天井部分などに塗っておきます。

ニホンミツバチは、以前に巣が作られていた場所を好むと言われています。巣が一度作られた場所は、蜜蝋がこびりついており、蜜蝋の匂いがついています。

そこで、ニホンミツバチの捕獲を行う人は必ず蜜蝋を巣箱に塗って、そこがニホンミツバチが以前営巣した場所だとアピールするのです。

ニホンミツバチの蜜蝋はなかなか売られているところがありません。そこで蜜蝋を販売させていただいております。

これまで何千人もの方に販売しており、多くの方が捕獲に成功されています。

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キンリョウヘンや待ち箱ルアーで分蜂群れを誘引する

キンリョウヘンというランが、ニホンミツバチを誘引することが知られています。

巣箱の横にキンリョウヘンを置いておくと、ニホンミツバチが入居しやすいのです。次の写真のように、キンリョウヘンに誘引されます。

2014年から、キンリョウヘンの誘引成分を化学的に合成した待ち箱ルアーが発売されました。

キンリョウヘンの栽培は初心者には少し難しいのですが、待ち箱ルアーは芳香剤のように、開封した時点から誘引力を発揮します。

この2つは効果が大きいので、どちらかを必ず準備するようにしてください。

次の写真は、待ち箱ルアーを取り付けたニホンミツバチの巣箱に、分蜂が入居するときの画像です。真ん中の丸く白いものが待ち箱ルアーです。

待ち箱ルアーは口コミで評判が広がり、人気が高まっています。

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ニホンミツバチの巣箱に、セイヨウミツバチの分蜂群れが入ることも

分蜂が入居して喜んでいると、実はそれはニホンミツバチではなく、セイヨウミツバチだったということがあります。

セイヨウミツバチは、野生に生息していませんし、人間に管理下のあるセイヨウミツバチは自由に分蜂しないように管理されています。分蜂してしまうのは、養蜂家さんが点検の時に見逃していたり、ハウスでの受粉用の群れが逃げてくる場合などです。

日本に生息しているセイヨウミツバチは、腰の周りが黄色っぽい種類が多いです。黄色っぽいミツバチだなと思ったら、セイヨウミツバチの可能性があります。写真をとって、ミツバチのQ&Aで質問してみてください。

セイヨウミツバチをそのまま飼育するのは考えものです。セイヨウミツバチは、ミツバチヘギイタダニやふそ病などの問題があり、適切な予防策を行う必要があります。

重箱式のような伝統的な巣箱では、対策は難しいです。自分の群れで発生したダニや病気が、地域の他の養蜂家さんの群れに移ってしまうと大変です。

セイヨウミツバチがもし捕獲できても、そのまま飼育せずに、他の養蜂家や、行政に相談してください。

引越し途中の分蜂群れを捕獲する方法

ここまでは、ニホンミツバチの分蜂群れが自然に入居する方法をご紹介しました。

次は、まるで誘拐・拉致のような方法での捕獲です。

ニホンミツバチの分蜂群れは、いきなり新しい場所に直行することは稀です。

巣箱から出ると、元の巣の近くの木などに固まって、新しい巣の場所を探します。

なかなかよい場所が見つからなかったり、雨が降って旅立てなくなったりすると、数日間などの長く滞在することもあるようです。

この状態で見つけた場合、いつ飛び立つかは誰にもわかりません。

このような木に固まっている時に、強制的に分蜂群れを巣箱に入れてしまうことができます。

詳しい作業の様子は、次の動画を見てください。

ニホンミツバチの分蜂の回数は?

それでは、分蜂は何回発生するのでしょうか?1回だけではありません。1年間に1つの巣箱から分蜂群れが複数群れ出てくるのが普通です。

複数回の分蜂が発生するのは、娘の女王蜂が1匹だけではなく、姉妹が生まれてそれぞれ分蜂することと、娘の娘、つまり孫の女王蜂が生まれることがあるためです孫の女王が誕生した場合は、分蜂の最盛期が過ぎて夏ごろになってから分蜂が発生します。目安としては、1群れで3回分蜂が起こることが多いです。群れが大きい場合、4回、5回と分蜂することもあります。

つまり、年に何度も捕獲のチャンスはあります。

ニホンミツバチの分蜂の時期は?

京都府の丹波地方では、分蜂は4月中旬から始まります。だいたい九州では、3月半ばから始まるようです。東北では、5月に入ってから始まる地域もあります。このように地域によっても大きな違いがあります。

2015年から、分蜂マップという日本各地の人がインターネットを使い、分蜂の時期を報告するサービスを提供しています。この分蜂マップを見ていただくと、日本各地の分蜂時期がわかります。

=> 分蜂マップにアクセスする

分蜂捕獲のコツとは?

分蜂群を捕獲するためのコツとして、様々なものが知られています。

ポイントとしては、初めのうちはあまり細かいものは気にしないことです。

捕獲のコツの中でも、真偽がわからないもの、愛好者によって全く反対の説を持っているものなどもあります。

そういったコツを実践すると、準備の労力がかかりすぎてこれから始める人は大変です。そこで、このサイトでは確実に効果のあるものをご紹介しています。

初心者の方で捕獲で大切なのは次です。まずはこれだけでも覚えてください。

・分蜂の時期に遅れない
・巣箱には蜜蝋を塗る
・巣箱には待ち箱ルアー(またはキンリョウヘン)を取り付ける
・巣箱をたくさん作ってたくさんの場所に設置する

詳しくは、以下の別のページに分けてご紹介しています。

捕獲方法1. 分蜂の時期は逃さない。少しの遅れが命取りに

これは日本ミツバチの捕獲のコツというより、基本中の基本です。しかし、意外にも分蜂時期を逃す方がたくさんがいます。相談を受けた時に、あと少し早かったらと思うことも多くあります。絶対に分蜂の時期を逃さないでください。

=> ニホンミツバチの捕獲方法1 分蜂の時期は逃さない。少しの遅れが命取りに

捕獲方法2. 適した場所に巣箱をたくさん設置しよう

ニホンミツバチの捕獲には、適した場所があります。また、最低限のマナーとして、巣箱を設置してはならない場所もあります。また、ニホンミツバチの飼育年数が長くなればなるほど、捕獲率は高くなります。その秘訣とは?

=> ニホンミツバチの捕獲方法2. 適した場所に巣箱を設置しよう

捕獲方法3. 巣箱に蜜蝋を塗ろう。安全な塗り方を紹介

巣箱が完成したら、ニホンミツバチを誘引するために蜜蝋を塗ります。捕獲率が上がると言われており、ニホンミツバチの養蜂家の全てが行なっていると言っても良いほど、広く一般的に行われています。

=> ニホンミツバチの捕獲方法3. 巣箱に蜜蝋を塗ろう。安全な塗り方を紹介

捕獲方法4. 金稜辺(キンリョウヘン) を巣箱の近くに設置して捕獲しよう

金稜辺(キンリョウヘン) というランの花がニホンミツバチの分蜂群れを誘引することが広く知られています。キンリョウヘンをうまく活用して捕獲してみてください。

=> 捕獲方法4. 金稜辺(キンリョウヘン) を巣箱の近くに設置して捕獲しよう

捕獲方法5. 分蜂集合板を利用して簡単に分蜂群れを捕獲しよう

すでに飼育群れがある場合は、分蜂集合板を使いましょう。飼育群れから出てくる分蜂群れを、簡単に捕獲することができます。

=> ニホンミツバチの捕獲方法5. 分蜂集合板を利用して簡単に分蜂群れを捕獲しよう

捕獲方法6. 諦めない、夏にも分蜂を捕獲できることがある

春を過ぎても諦めないこと、これも大変大切です。真夏でも捕獲できることがあります。

=> ニホンミツバチの捕獲方法6. 諦めない、夏にも分蜂を捕獲できることがある

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