Qスズメバチの巣は何でできているのですか?
スズメバチの巣は、木の繊維を唾液で練り合わせた紙のような素材でできています。ニホンミツバチが体から分泌する蜜蝋で巣を作るのとは対照的です。
木の繊維を唾液で練った紙でできている
軒下や木の枝にぶら下がる、丸くて大きなスズメバチの巣。あの壁は、木からできています。
スズメバチは朽ちた木や、生きている木の樹皮をかじり取り、唾液と混ぜてかみ砕き、団子状にしたものを巣まで運びます。これを薄く塗り広げて壁にします。塗ったばかりの部分は唾液で濡れていますが、乾いて固まります。
紙のような薄い壁は、何枚も重ねられ、その間にすき間があけてあります。このすき間に閉じ込められた空気が、外の暑さや寒さを巣の中まで伝わりにくくしています。
一方、ニホンミツバチは、働き蜂が自分のお腹から蜜蝋を出し、これを噛み砕いて巣の材料にします。蜜蝋は蜂蜜から作られるため、巣を作るには大量の蜂蜜が必要です。
まだら模様は集めてきた木の色の違い
よく見ると、巣の表面はまだら模様になっています。これは、あちこちから、いろいろな種類の木を集めてくるからです。木によって色が違うので、こんな模様になります。
春に 1 匹で巣を作っていたコガタスズメバチ(住宅地でよく見かける種類です)の女王蜂を撮影したときは、くわえて戻ってきたものを最初は幼虫の餌かと思いました。小さな顎で団子を伸ばして外壁を広げていく様子は、職人のようでした。
ただし、この模様はどの巣でも見られるわけではありません。土の中に巣を作るオオスズメバチのように、外側の壁が薄く、模様がはっきり出ない種類もいます。
巣は育つほど丈夫になっていく
紙のような素材は比較的もろいのですが、スズメバチはそれを補う材料を巣の中で手に入れています。
巣の中には、幼虫を育てる六角形の部屋がぎっしり並んだ板が、何段にも重なっています。この板を支えているのが柱です。
春に女王蜂が 1 匹で作り始めたころの巣には、この材料がありません。繭も幼虫の糞も、幼虫が育ったあとに残るものだからです。
やがて働き蜂が羽化すると、部屋のフタとして作られた繭(まゆ)が巣に残ります。働き蜂はこれをかみ砕き、巣の内側から削り取った古い壁と混ぜて、柱の材料にします。繭の繊維が混ざることで、柱は丈夫になります。
同時に、部屋の底にも硬いものが溜まっていきます。
スズメバチの幼虫は、育っている間、糞をまったくしません。サナギになる直前に、一度だけまとめてします。
その糞は幼虫自身が部屋の底に塗り固め、乾くと黒く硬い固まりになります。ニホンミツバチは羽化したあとに部屋を掃除しますが、スズメバチは取り除きません。
こうして部屋の底が固められることで、板全体が強くなっていると言われています。
オオスズメバチの巣を解体したとき、柱は左右にひねっても折れず、最後はねじってちぎり取ることになりました。空になった部屋の板も、手で割ろうとするとかなり硬く、簡単には割れません。
この動画では、オオスズメバチの巣を解体しながら、繭を建材として利用している様子を観察しています。巣の柱の下に繭の繊維が組み込まれている構造がわかります。
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スズメバチの対策
スズメバチの中でも、キイロスズメバチはニホンミツバチの巣箱に頻繁にやってきます。オオスズメバチは世界最大のスズメバチで、ニホンミツバチの群れを全滅させることもあります。
