Q毎年1月・2月など考えられないほど早い分蜂報告が分蜂マップに届きます。これは嘘や勘違いですか?
嘘や勘違いとも言い切れません。実際に早期分蜂している可能性と、逃居(巣の放棄)した群れを分蜂と見間違えた可能性の2つが考えられます。ただし実用上は、地域の分蜂シーズンに合わせて準備するのが基本です。
分蜂マップには毎年、1 月や 2 月など考えられないほど早い時期に分蜂報告が届くことがあります。嘘や勘違いとも言い切れず、2 つの可能性が考えられます。
分蜂が起こるまでの準備期間
まず前提として、分蜂は突然起こるものではありません。 ニホンミツバチが分蜂するためには、冬から春にかけて群れの数を増やし、雄蜂を育て、新しい女王蜂を育てるという準備期間が必要です。
ニホンミツバチは気温が 10℃ 以上になると活動を始め、暖かい地域から順に準備が整っていきます。これが「南から北へ」分蜂が進んでいく理由です。
本州などでは早くても 3 月下旬からが多いです。1 月、2 月でも気温の高い日がありますが、急に分蜂することはありません。
可能性としては、実際に一部の群れがかなり早い時期に分蜂することがあるということと、分蜂ではなく巣を放棄した逃居の群れだということです。
可能性 1:実際に分蜂している(レアケース)
群れによって分蜂開始時期に多少のズレがあり、他の群れより 1 週間程度早く動き出すこともあります。
しかし、1 ヶ月以上も早い事例は、さすがに疑問が残ります。
1 ヶ月も早く分蜂してしまうと、交尾相手の雄蜂も周りにいない可能性が高いです。 分蜂マップの情報は投稿者の判断に委ねられており、巣箱内の王台(新女王を育てる部屋)の有無を確認するような手段がないため、真偽を確かめることができないのも事実です。
1、2 週間早いくらいであればありそうですが、流石に 1 ヶ月以上早い分蜂は考えにくいです。
可能性 2:逃居した群れを分蜂と見間違えた
もう一つの可能性が「逃居(とうきょ)」との混同です。
ニホンミツバチは環境が悪化すると巣を放棄して飛び立つことがあります。
これを逃居と言います。越冬明けの春先にも起こり得る現象です。
逃居した群れが木の枝や軒先に一時的に集まっている様子は、分蜂した群れと区別が困難です。
逃居を分蜂と勘違いして報告してしまうことも起こり得ます。 分蜂マップには年間 5,000 件程度の報告が集まっていますが、極端に早い時期の報告は数件から 10 件未満です。このわずかな件数が、春先の逃居や稀な早期分蜂の可能性を示しているとも考えられます。
実用上は無視してよい
これらの報告が本当に分蜂だったとしても、レアケースに合わせて準備を前倒しにする必要はありません。 キンリョウヘンの開花時期を早めたり、待ち箱ルアーを季節外れに開封したりするのは、効果的な使い方とは言えません。
特に、九州南部(鹿児島・宮崎など)でまだ分蜂が報告されていない時期に、本州で先に分蜂が起こるというのはニホンミツバチの生態上ほぼあり得ません。
そういったケースの報告は、実際には誤認や逃居の可能性が高いと考えられます。
自分の地域の分蜂シーズンに合わせて準備を進めるのが基本です。
関連情報
分蜂時期を逃さない
分蜂の時期は九州南部で3月上旬、関東で3月下旬、東北で4月中旬から。1ヶ月で7〜8割の分蜂が終わるため、準備は冬から始めましょう。分蜂マップで最新状況を確認できます。










