Q分蜂群はどうやって新しい巣の場所を決めるのですか?
分蜂群の新しい巣の場所は、探索蜂たちがダンスで情報を伝え合い、話し合いによって決定します。この仕組みは「ミツバチの民主主義」と呼ばれています。
分蜂(ぶんぽう)したミツバチの群れは、どこに新しい巣を作るのでしょうか。実は、この決定には驚くべき「民主主義的な話し合い」が行われているのです。
結論:働き蜂たちの「投票」で決まる
人間の世界では、重要な決定を多数決で決めることがあります。驚くことに、ミツバチの分蜂群でも似たような仕組みで新しい巣の場所が決まります。
女王蜂が「ここに巣を作りなさい」と命令するわけではありません。探索蜂と呼ばれる働き蜂たちが候補地を探し、群れ全体で情報を共有して、最終的に 1 つの場所に決定するのです。
探索蜂が候補地を探す
分蜂した群れは、まず元の巣の近くの木などに集まって蜂球(ほうきゅう)を作ります。全員がじっと待っているわけではなく、一部の働き蜂が探索蜂として四方八方に飛び立ちます。
探索蜂は新しい巣の候補地を探し、見つけると入念にチェックします。
- 入り口は適切な大きさか
- 中に十分な空間があるか
- 雨風をしのげるか
- 他の生き物がいないか
ミツバチは木の洞(うろ)や住宅の床下、壁の中など、小さな入り口から広い空間が広がっている場所を好みます。
ダンスで情報を伝え合う
ミツバチが「ダンス」で花の場所を仲間に伝えることは比較的知られています。実は、新しい巣の候補地もダンスで共有するのです。
候補地を見つけた探索蜂は、蜂球に戻って「尻振りダンス」や「ワグルダンス」と呼ばれるダンスを踊り、仲間に場所の情報を伝えます。
- 方向:太陽の位置を基準に、どの方角にあるか
- 距離:ダンスの持続時間で遠さを表現
話し合いで 1 つの場所に収束する
最初は、複数の探索蜂がそれぞれ違う場所をアピールしてダンスを踊っています。A さんは「東の大きな木がいい」、B さんは「南の古い小屋がいい」と、まるで人間の会議のような状態です。
しかし、時間が経つにつれて、ダンスは 1 つの場所に収束していきます。
さらに、他の探索蜂は、その場所を自分でも確認しに行きます。実際に良い場所だとわかると、自分も同じ場所を支持してダンスを踊るようになります。
こうして、だんだんと支持者が増え、最終的に群れ全体が 1 つの場所に合意するのです。
そして、一斉に飛び立ち、探索蜂に導かれて新しい住処へと向かうのです。
選ばれなくても、また来る可能性がある
養蜂をしている方へのヒントです。待ち箱に探索蜂が来ていたのに、結局その群れが別の場所を選んでしまった......そんな経験はありませんか。
がっかりする必要はありません。探索蜂が来ていた群れは、同じ巣から来ています。その巣が次に分蜂したとき、また同じ待ち箱を候補地として探しに来る可能性があるのです。
1 つの群れから 3〜4 回分蜂することは珍しくありません。1 回目で選ばれなくても、2 回目、3 回目の分蜂で入居してくれることがあります。探索蜂が来ている待ち箱は、そのまま置いておきましょう。
関連情報
分蜂の基本的な仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
分蜂とは、ニホンミツバチの群れが2つに分かれる現象です。春に起こる分蜂は、野生のニホンミツバチを捕まえて飼育を始める絶好のチャンス。時期・回数・仕組みを詳しく解説。分蜂とは

分蜂が失敗するケースについてはこちらをご覧ください。





