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Q
秋にハチミツを全部取って、ミツバチを追い出してしまうのですか?

分蜂直前!
分蜂直前!
養蜂家

現在主流の重箱式巣箱では、ハチミツが溜まった上段だけを取るためミツバチを追い出す必要はありません。ただし、かつてはそのような飼育方法も行われていた可能性があります。

現在主流の重箱式巣箱では、ミツバチを追い出す必要はありません。 ハチミツが溜まった上段だけを切り取る仕組みのため、群れはそのまま越冬できます。ただし、かつてはハチミツを全部取ってしまう飼育方法もあったようです。

目次

情報がなかった時代の養蜂

平成に入るまで、ニホンミツバチの飼育に関する情報はほとんど出回っていませんでした。

養蜂の世界で主に飼育されるのはセイヨウミツバチで、ニホンミツバチは山間部で細々と趣味として飼われていた程度です。

インターネットがない時代です。飼育を解説する書籍もどうやらなかったようで、飼育方法は口伝えで受け継がれてきました。

かつての巣箱と飼育方法

長崎県の対馬や和歌山県南部の古座川などでは、丸洞式巣箱と呼ばれる丸太をくり抜いた巣箱で飼育されてきました。

対馬では「蜂洞(はちどう)」と呼ばれ、長い伝統があるとされています。また、角洞式巣箱という四角い箱を使った飼育も以前は見られました。

当時の飼育方法の詳細は分かりませんが、話を聞く限りでは、春になるとあちこちへ巣箱を設置して、ニホンミツバチが自然に巣を作るのを待つ方式が多かったようです。

特に世話はせずに放置し、秋にハチミツがたっぷり溜まった巣箱を回収して、ミツバチを追い出し蜂蜜を全部取ってしまうこともあったと考えられます。

A
丸洞式巣箱はおすすめしていません。材料の入手と製作が難しく、管理も重箱式巣箱よりも難しいです。あまり実用的ではありません。詳しくは、こちら

追い出された蜂はどうなるのか

この方法では 10kg 程度のハチミツが手に入る計算です。重箱式巣箱の場合は越冬用に約 5kg(重箱 1 段分程度)の蜂蜜を残す必要がありますが、群れを維持しないのであればその分も全部取れるためです。

しかし、秋に巣箱から追い出されたミツバチは、これから冬を迎える時期に新しい巣を一から作り直す余裕がなく、基本的に死んでしまいます。

ほとんど手間がかからず蜂蜜が手に入る点では効率的ですが、現代の感覚からすると残酷な方法と言わざるを得ません。

そんなことをするとミツバチがいなくなってしまうと思うかもしれませんが、翌春に自然界の群れが分蜂して巣箱にやってくることでサイクルが回ることになります。

重箱式巣箱が変えた養蜂

現在主流の重箱式巣箱は、同じ大きさの箱を何段も積み重ねた構造です。ニホンミツバチは上の段から順に巣を作っていき、上段にはハチミツが、下段には幼虫を育てるスペースがあります。

採蜜のときは、ハチミツが詰まった最上段だけを切り離して取り出します。下の段はそのまま残るため、ミツバチは生活を続けられます。越冬に必要な約 5kg の蜂蜜を残しておけば、群れは冬を越して翌年も元気に活動します。

さらに、春になれば分蜂(ぶんぽう)という繁殖行動で群れが増えるため、群れを増やしながらハチミツも楽しめます。

現在ではほとんどの飼育者が重箱式巣箱を使っていますが、以前はそうでもなかったようです。

インターネットで情報が伝わった結果、重箱式巣箱を採用する人が増えたという経緯があります。

伝統養蜂の地域でも変化

対馬や古座川などの地域では、現在でも丸洞で飼育されている方が多くおられます。

しかし話を聞いたり、YouTube の動画などを見ても、蜂を追い出してハチミツを全部取るという方法は使われていないようです。

昔からこの方法だったのか、どこかの時点で変わったのかは定かではありません。

A
ニホンミツバチの伝統的な採蜜では遠心分離機を使わず、巣を押しつぶしてハチミツを絞り出します。巣箱の構造の違いが理由です。詳しくは、こちら

関連情報

採蜜の具体的な手順については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

採蜜方法

ニホンミツバチの採蜜時期は主に夏から秋。重箱式巣箱の最上段を切り離し、たれ蜜と圧搾でハチミツを収穫する方法を動画付きで解説します。

採蜜方法

関連するFAQ

A
ミツバチを襲うスズメバチを捕まえてハチミツ漬けや焼酎漬けを作る養蜂家は珍しくありません。滋養強壮に良いと言われています。詳しくは、こちら

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