Q分蜂で群れが3〜4倍に増えたら、増え続けませんか?
自然界では分蜂で増えた群れの多くがオオスズメバチや巣の崩落などで消えるため、翌年には群れの数は元に戻ります。飼育下でも半分〜3分の1に減ることが多く、捕獲した群れは分散して飼育するのが理想です。
1 群から 3〜4 倍に増える
ニホンミツバチは春になると分蜂を行います。分蜂とは、群れを増やすための繁殖行動です。古い女王蜂が働き蜂の半分ほどを連れて巣を出て、新しい住処を探します。
1 つの群れから 3〜4 回、多いときはそれ以上の分蜂が起こるため、春の間に群れの数は一気に増えます。分蜂は元気な群れでないと起こらないので、繰り返し分蜂するのはその群れが健康な証拠です。
実際に 3 群を見張り続けて合計 14 回の分蜂を確認し、11 群を捕獲した経験があります。
自然界での生存率は低い
しかし、自然界ではこのまま増え続けることはありません。次のような原因で多くの群れが失われるからです。
- オオスズメバチの襲撃 — 秋に巣を攻撃され、全滅することがある
- クマの襲撃 — 巣ごと壊されてしまう
- 巣の崩落 — 営巣場所が崩れたり、雨水が侵入してきて営巣が継続ができなくなる。
- 蜜源の不足 — 必要な量の蜜源が足りず、群れが消滅してしまう。
- 女王の寿命 — おおよそ 3 年と言われています。日本蜂は変成王台を作る習性が弱いとされています。
春は 3〜4 倍になっても、翌年にはまた同じくらいの数に戻るわけです。
つまり、1 つの群れが次の春まで生き残る確率は、おおよそ 3 分の 1〜4 分の 1 程度と考えられます。
飼育でも半数以上が減る
人が飼育する場合は、オオスズメバチ対策やクマ対策を行えますし、巣の場所が崩落したり、雨水が侵入することもありません。
自然より生存率は高くなります。それでも、半分程度、あるいは 3 分の 1 まで減ることが多いです。 重箱式巣箱による飼育はほぼ自然に近い方法のため、群れを完全にコントロールすることは難しく、調子の悪い年には 3 分の 1 や 4 分の 1 に減ってしまうこともあります。
同じ場所に集めると問題が起きる
飼育で特に注意したいのは、捕獲した分蜂群をすべて同じ場所に置いてしまうことです。
たとえば 3 群を飼育していて、それぞれが 4 回ずつ分蜂し、すべて捕獲すると 15 群になります。
本来、分蜂群は敷地の外へ飛び立ち、離れた場所で巣を作ります。それが 1 か所に集まると、自然界ではありえない密度になってしまいます。
その結果、次のような問題が起きます。
- 蜜源の奪い合い — 周囲の花の蜜では足りなくなる
- 群れが十分に育たない — 栄養不足で成長が止まる
- 盗蜜による消滅 — 弱った群れは近くの群れに蜂蜜を奪われ、消滅に向かうこともある
1 か所 1 群の分散飼育が理想
捕獲した群れは、別の飼育場所に移動させましょう。遠すぎる必要はなく、同じ市町村内や車で 5〜10 分程度の距離で十分です。
基本は1 か所に 1 群です。蜜源が豊富な場所であれば 2〜3 群置くこともできますが、群れが増えたときに密集しないよう、あらかじめ複数の飼育場所を確保しておくのが安心です。 待ち箱を分散して設置しておくと、捕獲のチャンスが広がるだけでなく、捕獲後の移動先としても活用できます。ニホンミツバチの重箱式飼育は、自然の営みに合わせて飼う方法です。群れが増えたときのことも考えて、分散できる場所を準備しておきましょう。
関連情報
たくさん巣箱を用意する
ニホンミツバチの捕獲率を上げるには巣箱を5個以上用意し、分散配置するのがコツ。1箱だけでは望みが薄いので、 友人・親戚の土地も活用しましょう。










